投稿

養老孟司さんが東大病院に入院して

 養老さんによれば医者は、かつては患者を目や手や耳で観察し、何の病気かを考え、治療法を考えた。それが1970年以降、患者から病状の「データ」を取り、そのデータを統計的に処理してデータベースに入れ、データベースから統計的・確率論的に一番正しいと思われる病名と治療法を特定する、という風に変わったのだとか。養老さんは言っていないが、以下、その心を推察した。 医者の仕事は「考える」ことからデータ処理(病状を統計的に処理できるよう加工する…例えば例外的な事象は捨てる)に変わった。そうやって作られた病状データと、こう治療したらこういう結果になったという治療データで構成されるデータベース(=AI)が病名も治療法も教えてくれる。これで何が面白いのか?ビジネスも将来、同様のことになろう。顧客の要望や市場で起こったことをデータにし、AIにインプットすれば「こうすればいくら売り上げが上がるよ」と教えてくれる。これで何が面白いのか?人間て考えるために生まれたのではないか?医者の場合、こういっちゃあなんだが、考えても考えても答えが見当たらない場合「当たるも八卦」と思い切って治療してみる、ということもあったのではないか?データベースやAIに頼って最も正しそうな答えを出してもらうより、一人の人間が考え抜き、悩み抜いて出した答えに命を預ける…その方が俺は好きだ。 一方で戦争の代わりにAI同士を戦わせて勝ち負けを決める、というのもあってよい。それぞれの国で最高の技術・頭脳を駆使して戦争AIを作り、紛争が起こればAIを戦わせる。

映画ホット・ロック

大作でもなし、そんなに有名でも評価が高いわけでもない映画だと思うがとても面白かったので紹介する。  原作が良いせいか、監督がイギリス人だからか、脚本がユダヤ人だからか、ニューヨークを舞台にしたアメリカ映画ではあるが、イギリス風のナンセンスコミック*。傑作と言っていい。(モンティ・パイソンのような)その他、この映画に関するコメントは、Ameba ブログの「まりー&まりりんの、あーだこーだ。」にある通り。俺は「アフガニスタンバナナスタンド」でネット検索してこのブログにたどり着いた。 まりー&まりりんのブログで触れていないが、話のきっかけになるダイヤモンドを盗み出す仕事の依頼…この依頼をする「お客さん」がなぜアフリカ某国の大使館員?の黒人でなければならなかっのか?この人以外の主な出演者は全員白人。仕事の依頼人という言わば一番偉い人を黒人にしたというのは何かの意図なのか?それともアメリカ人はアフリカの”土人”から大きなダイヤモンドを盗んで博物館に飾るような人間だ、と強調したいのか?…これを言い出すと大英博物館なんて世界各地から盗んできたものであふれかえっているが… 音楽はクインシージョーンズ。バリトンサックスのジェリーマリガン他、一流ジャズミュージシャンが演奏している…バリトンサックスの音は効果的に使われている、というか目立つ。 それからキーワードの「アフガニスタンバナナスタンド」…調べても、映画の作られた1971年、原作の書かれた1970年当時、アフガンで特別なことは起こっていない。(最近は注目されることも多いけど)どうやって思いついたのか???天才的なひらめき。 *イギリス風ナンセンス: 「人間のやること、考えることすべて馬鹿馬鹿しい」としゃれのめし、権威をからかって貶めようという精神。(「俺も馬鹿だけどお前もな!」)。絶対神、間違いのない神を信ずるスクウェアなキリスト教徒から見れば「無神論」であろう。日本人にはなじみやすい種類のユーモア。つきつめていくと、The answer is blowing in the wind.に通じる。一時流行したMR.ビーンも教会や王室を馬鹿にしたユーモア満載だった。礼儀作法やPolitical correctnessという”権威”にも楯突こうというところも偉かったね。

娘のアドバイスに従い料理の話(粉もん、麺類)

 昔はスパゲッティ、マカロニと呼んだ。今はパスタと言う。コックはいつからシェフと呼ばれるようになったのか?パティシエじゃなく、パン職人、ケーキ屋でいい。そもそもラーメン屋やパン屋に客が並ぶのがわからない。ラーメンやパンなんてものはそんなにありがたがって食うものではないと思うのだが… さて、自作して美味しいスパゲッティ料理は:  ブロッコリーと桜エビのペペロンチーネ(ブロッコリーの代わりに菜花でも)  ナポリタン 残念ながら、ミートソ-スは自作より市販のものの方がうまい。 ピザはナポリピザを外で食べるのがベスト。ナポリピザは作れないが、強力粉の袋に書いてあるレシピに従いピザ生地を作って麺棒で薄く伸ばし、デロンギのトースターについていたセラミックスの板(=ピザストーン)をガスコンロで予熱した上に乗せ、トマトソース*、チーズ、ピーマン、トマト、ベーコンを加え、ピザストーンに乗せたままアラジンのトースターで焼くと、そこそこうまい。これにタバスコをかける。(デロンギのトースター本体は数年使っていたら壊れた。これもイタリアらしくてよい) *トマトソース;トマト缶の中身に塩適量を加えてよく混ぜたもの 中華ではワンタン。漢字では雲吞。東京ワンタン本舗のワンタンの皮、30枚で¥130くらいのが賞味期限近くなって¥30引きくらいで売っていると買う。ワンタンの皮の袋に書いてあるレシピの通りつくる。豚ひき肉は70gで30個分(1個当たり豚ひき2g強)。あとはネギの刻んだの…具は少なく、皮を雲のように呑む。餃子のような”ヒダ”はなしで包む。皮を金魚のしっぽのようにひらひらさせる。ゆでたのをお湯を張ったどんぶりにでも入れて市販のポン酢で食す。ワンタンて、そろそろブームになってもいいと思うのだが。 餃子は中国に出入りしている頃、小麦粉を買ってきて皮から作っていたこともあった(水餃子が多かった)が、ミマツの30個入り¥398の冷凍餃子がうまいので最近はもっぱらこれ。ミマツは生餃子もあって、値段は冷凍ものより安いが、冷凍ほどうまくない。中国で買ってうまかった食材は小麦粉(麺粉)、それから牛乳。(一時メラミンが入っていて体に良くない牛乳が話題になったがその後どうなったか??)20年前は中国のものは安かった。 シュウマイは何といっても崎陽軒。ミマツの冷凍30個入り¥498もうまい。自分で作るより...

COOL JAPN 500回SPを見て

番組に登場したイギリス人(黒人女性)によるとHavig fun is customer's job.だと。以前からそうではないかと感じていたのでとっても納得がいった。クソつまらない芸でも喜び、芸人を励ますアメリカ人が理解できた気がする。これに関してアメリカにいて違和感を覚えたのは①日本に比べると著しくレベル低いのプロレスラーのパフォーマンスに大喜びする観客②鉄板焼きでコックがフランベして炎を上げたり、料理をひっくり返す「こて?」を高く揚げたりするだけで大喜びする客。これらのことは客のJOBとしてやっていたんだと思えば、アメリカ人もそう馬鹿にしたものではないな、と思う。(あんな下らない芸で本当に心の底から喜んだり感心したりしていたら阿保だ) ところで、なぜ、客にJOBが必要なのか?客は面白ければ喜び、おいしければおいしいと言えばよい。面白くもなければおいしくもないのになぜ無理やり面白がったりおいしがったりせねばならないのか?そこでネット(weblioなど)で”JOB”の意味を調べると報酬をもらうための仕事ということらしい。(類似語のWORKとかDUTYなどは報酬には必ずしも関係なく、倫理的に果たさなければならない義務というニュアンス。)つまり、客がおいしさや面白しさという報酬を得るためのJOBとして全神経を集中しJOBとしておいしくないのにおいしがり、面白くないのに面白がるということか。長い目で見れば、つまらない芸人や、下手なコックを励まし、腕を上げてもらえば客に跳ね返ってくるということか?

娘のアドバイスに従い料理の話(デザート)

 レモンケーキ…コツは①小麦粉に3割くらいホットケーキミックスを混ぜる②バターにケーキ用マーガリンを3割くらい混ぜる…ひと手間や高い食材必ずしもおいしい訳ではない③粉糖と水、レモン汁をまぜてアイシングを作るが、水分が多いとケーキにどんどんしみ込んでしまうので注意。 プリン…特に変わったことはしない。卵3個に牛乳360cc。卵、牛乳が余ると作る。砂糖と水からカラメルソースを作る…まともな材料・配合ならまず失敗しない。 蜜豆…寒天を固めてさいの目に切り、黒蜜をかける  ※黒蜜:黒糖をお湯に煮溶かして作る…容器に入れて保存可能   黒蜜ときな粉をプレーンヨーグルト、わらびもち、くずもちにかけても美味 豆かん(色川武大さんの好物だった)…赤えんどう豆を一晩、塩と重曹を加えた水につけ、ゆでる。ゆであがったら温かいまま白砂糖で作ったシロップにつけて出来上がり。1,2日冷蔵庫で保存したらおいしく。  ※豆をゆでるには保温鍋を使う…5分か10分沸騰させたら一晩保温。柔らかさを見てま だ、固ければ再度沸騰させてもう数時間保温。圧力鍋を使うと、豆は煮崩れ、肉はバラバラになる。圧力鍋を使うならごく短時間にし、保温鍋や普通の鍋で煮ることとの併用を。 小豆あんこ…保温鍋で(小豆はゆでる前水につける必要なし)  ※あんこができれば蜜豆に加えてあんみつにしても。白玉でも。 クー・ド・ナンシー(サワークリーム、アーモンドプードル、ブラックチョコレート、卵等で作るチョコレートケーキ)…アーモンドプードルは通販で、ブラックチョコレートは業スーで安く仕入れる。スーパーでサワークリームが安く売られていれば買ってきてこれを作る。焼けた後乾きやすいので容器のままひっくり返して冷ます。  

立川談志師匠

 談志師匠の尊敬していた(一目置いていた)人: ・フレッドアステア ・色川武大、田辺茂一 ・西部邁 ・手塚治虫 以上 俺の好きな人、尊敬する人と一緒。 こんなに共通するのは面白いと思う。(もちろん共通しないことの方が多いが)談志の落語は面白いと思ったことはない。小噺やジョークは好き。冷蔵庫に何年も入れといたものを弟子に食わすといった理不尽、不条理を押し付けるのも落語らしくていい。 フレッドアステア:  ハプスブルク家が支配していたオーストリア=ハンガリー帝国生まれのドイツ系ユダヤ人の父親がアメリカに移民してきてドイツ系アメリカ人の母親と結婚。1899年に誕生。1906年生まれのビリーワイルダーという映画監督も似た人種・生まれ。(ただし、ワイルダーはナチから逃げるため自分でアメリカに移民してきた)アステア、ワイルダーの二人に共通しているのは1918年に滅亡したオーストリア=ハンガリー帝国の優雅さ、粋を感じさせるところ。アステアの最高傑作は談志によれば1948年のミュージカル映画”イースターパレード”。手足の先まで神経の行き届いた優雅なダンス。ちなみにワイルダー監督映画の最高傑作は1957年の”情婦”だと思う。(マレーネデートリッヒ主演、最後に大どんでん返し。)1900年頃生まれた移民1世2世がアメリカの第二次世界大戦勝利や1950年代の"golden age"を可能にした。俺たちの世代にとっては1950年代のアメリカは憧れの"golden age"である。古き良きヨーロッパ文化の残り香と新しいアメリカの豊かな産業・文明のいいとこどり。様々な国が発展する過程で古き良き文化と新しい文明がいいバランスになる10年間がある。日本では1980年代、韓国では2000年代、中国では2010年代。 色川武大、田辺茂一:  片や「9勝6敗を狙え、15連勝しようとすると無理が生じる。8勝7敗では寂しい」と言う相撲好きのギャンブラー。片や酔っ払いのダジャレ好き。二人とも脱力系、いい加減で器の大きさを感じさせる。色川さんの9勝6敗論は人生観でもあるが、もともとは麻雀で飯を食うための処世術でもあった…1回も負けない奴とは誰も一緒に麻雀してくれない。プロとして麻雀で飯を食っていくには9勝6敗でないと。 西部邁:  60年安保闘争の時の全学連の幹部。70年代...

<俺が 芸を感じるもの> ①分かっていてもほろりとさせられる:例えば落語の人情噺  ・文七元結…娘が身を売って五十両手に入れた左官の長兵衛が、五十両をなくして自殺し        ようとする文七にあげてしまう  ・紺屋高尾…正直な紺屋の久蔵に惚れた花魁の高尾が年季が明けたら嫁にもらってくれ、         と言い、実際に年季が明けたら久蔵のところに押しかけてきて女房になる  ・芝浜…ダメな旦那に嘘をついて更生させた嫁が嘘ついていたことを告白する  ・唐茄子屋政談…初めて唐茄子売りの商売に出て得た売り上げ全部を気の毒な母子に          あげるがそれを全て因業大家に取られてしまい、母子は心中を図る ※いずれも不条理で理不尽な噺。主人公の無鉄砲・一本気が周囲の人たちの粋な働きを呼び、ハッピーエンドに終わるという”都合が良すぎてあくが強い”筋書きを演者がうまく料理して泣かせる ②分かっていても笑わせる・面白い:  ・ロケット団の漫才…こうボケる、と分かっていてその通りボケる。それに対するツッコ            ミの反応  ・東宝映画の「社長シリーズ」…森繁久彌の社長、小林桂樹の秘書、加藤大介のまじめ                 部長、三木のり平の宴会好き部長によるおなじみの演技                 (特に毎回登場する、三木のり平が活躍する宴会シーンと                 森繁社長が浮気しようとするけど必ず失敗するシーン)  ・「シャボン玉ホリデー」におけるクレージーキャッツ、ピーナツのお定まりのギャグ ③何回見聞きしても感心する:  ・フレッドアステアのダンス…小さな体・見栄えのしない顔で見せる粋な職人芸  ・アニタオデイ…狭い音域、少ない声量、力みのない姐御風な唱法 「芸は人なり」という言葉が五代目柳家小さんの言葉として伝わっている。俺は芸とは芸人の持って生まれたものとその上に積み重ねられた苦悩、コンプレックス、稽古などの表出のことだと思う。ただし、小さんやその弟子談志の落語に芸を感じたことはない 上記のうち落語の人情噺以外は演者が自信満々に全力で演じるのではなく、力を抜いて自分の芸をクールに表現している。トップとして君臨するのでなく自分の「分」をわきまえている。 人情噺における演者の料理法…「こうすれば客は泣くだろう」と稽古と...