You never give me your money
You never give me your moneyというビートルズ(ポール・マッカトーニー作)の歌がある。俺はこの歌の歌詞を聞いた瞬間から今の今まで50年以上誤解していた。冒頭の歌詞がYou never give me your money You only give me your funny paperだ。 岩下尚史さんの「芸者論」に 「 文化というものは、余った金の上にしか咲きません。そして、その金がどんな経路を辿っ たものかなど、 金というもの自体のが仮のもの である 以上、何の問題にもなりません。」 とある如く、俺はこの歌詞を 「君はお金をくれる。お金ってみんな欲しがるけど、本当は価値なんてない単なる紙だよね。」という意味だと信じて深遠で格好いい歌詞だなあ、と思ってきた。 ところが、Wikipediaによれば、 本作は1969年初頭におけるバンドのビジネス的な取引をテーマとしており、マッカートニーは「ここでの僕は、 アラン・クレイン の僕らに対する態度を正面から非難している。お金は全然入ってこなくて、あるのはおかしな書類だけ。約束ばかりで何ひとつ実現しないというわけさ」と語っている・・・だそうだ。 ビートルズの生みの親とも言っていい名マネージャー、ブライアン・エプスタインが1967年に死んだ後、次にマネージャーになったのがアラン・クレイトンだった。 哲学的でも何でもなく、即物的な、「仕事させろ、金よこせ」という歌だった。 閑話休題: この歌が収録されたアルバム「アビーロード」が発売されたのが1969年だが、その翌年、ビートルズ解散後ジョンレノンが出したアルバム、 「ジョンの魂」に、Godという歌があって、その歌詞に God is a concept by which we measure our painとある。 俺は、この歌詞を「神なんて、『おお、神様』と救いを求めるたびに口にする呪文みたいなものだ。 『おお、神様』と唱える回数が多ければ多いほどその人の悩みは深い・・・神は人の悩みを計る道具だ」と理解した。 どうも、You never give me your moneyを聞く前にGodを聞いて「神も、金も皆が信じるものは仮のもので、意味なんかありゃしない」という風に考えたのではないか。