岩下尚史「芸者論」⑪(最後)
身を入れて稽古に励んだ芸者が、その芸をいざ披露しようという時、まず意識するのは、目の前の旦那や客ではなく、後ろに居並ぶ芸者たちの目でありましょうし、それと同じように、世界の大物たちが、これと見込んだ政治家を男にするための祭りの庭が、花柳界であったのですから。
>>これも日本人論。鍛えた芸を披露するのは自分のためではない。後に続く者達をインスパイアするため。こうやって綿々と「家(家督)」を継いできた。会社員もその例外ではなかったが、成果主義の導入によって、日本の会社は芸や技の継承が困難になった。そして成果主義よりはるかに「自分さえよければいい」という考えを徹底したのが転職だ。オワコンの芸や技は継承される必要はない。じゃあ、転職が定着して、新しい会社や芸や技が生まれ、継承されるのか?そこが気になる。俺は悲観的だ。転職ばやりも「うわべだけの移植」だ。
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