朝日と毎日

 文春10月8日付け「新聞エンマ帖」に以下:

>>俺の茶々

★朝日と毎日の明暗

 収入が右肩下がりになる中、メディアとしていかに存在感を維持するか。聞くところによれば、読売新聞は政治部の記者を増やした。SNSの発達で情報発信が民主化されたが、政治家へのアクセス権は以前と変わらない。ならばメディアの権限を政治報道に傾けるという。

 9月の自民党役員人事・内閣改造の報道をみると、最大の焦点だった鈴木俊一幹事長の続投を他社に先駆けて報じるなど、読売が目立った。老川祥一主筆と高市早苗首相の極秘会談を踏まえた政権側の情報提供もあったのかもしれないが、「数の力」のローラー取材も効いたのだろう。

 かたや朝日新聞や毎日新聞の政治部は減り続けているが、人事報道では明暗が分かれた。

 まずは明。秀逸だったのは、毎日の9月17日朝刊三面の大型記事だ。首相が来秋に予定される自民党総裁選での再選を見据え、党内唯一の派閥を率いる麻生太郎副総裁に頼る体制を継続したが「双方の思惑含みの連携にはひずみも見られ、一枚岩とはほど遠いのが現実だ」と分析した。

 この「ひずみ」の描き方がうまい。首相は「麻生氏の人事への関与について周囲に不満を漏らしつつも、その意向に配慮せざるを得なかった」。具体例として、麻生氏が将来性を買う小林鷹之政調会長の続投を挙げ、「官邸側では小林氏を閣僚で起用する案も浮上していたが、小林氏からの続投希望を受けた麻生氏の後押しもあり、早々に再任が固まった。麻生氏にとっても、閣内より目が届きやすい党内の要職にとどめた方が、影響力を行使しやすいとの思惑もあった」とした。「閣内より目が届きやすい党内の要職」といった細やかな表現で、高市氏と麻生氏との心理戦が読み取れる。

 さらに、麻生氏と良好な関係にあり、茂木敏充外相にも近い梶山弘志総務会長の起用にも触れ、「党四役のうち幹事長、政調会長、総務会長はいずれも麻生氏と関係が近い布陣となった」と分析。これまで以上に党が「麻生色」になったことを明確に認定した上で「首相と麻生氏は強い盟友関係というより、政権を取るという『打算』で結ばれた側面が強いのは否めない」とした。この「打算」という記述も切れ味がいい。

 毎日の記事の特長は、事実を漫然と並べず、その事実に補助線を引き、政権が抱える強みと弱みを構造的に分析している点である。記者の数では読売にかなわなくても「視点」で勝負する。「少数精鋭たれ」との覚悟が紙面から伝わる。

 一方、朝日はスクープもなく、解説記事も事実を並べただけの印象だった。朝日関係者によると、政治部の上層部は「人事報道は力を入れなくていい」との方針だったという。あまりの惨敗に方針転換したが立て直せず、デスクはキャップを、キャップは現場記者を批判する「負のループ」に陥ったと聞く。

 朝日の政治部は仲間内で批判し合う前に毎日の記事を熟読し、戦い方を学ぶ方が、よほど健全だろう。

>>その通り。俺は今夏の甲子園報道でも毎日の方が優れていると評価した。(朝日が主催してるのに)朝日の”事実”には飽き飽きだ。毎日を見習え!。しかし、毎日は読まず、ダメ朝日を購読し続けるって俺も物好きだネ。

★役人のまやかしを一蹴

 国民の知る権利を蔑ろにした官僚権力の実態を暴いた、みごとな特ダネだった。朝日が8月31日朝刊一、二面で大展開した「情報開示延期『ほとぼりさめさせる』 郵便不正監督の総務省 業務チャットに投稿」である。

 発端は、日本郵便が放棄・隠匿した郵便物の一部を非公表にしていた問題を朝日が25年9月12日朝刊で特報したことだった。総務省は、24年の検査で事態を把握しながら1年以上放置していた対応に報道の矛先が向かうことを危惧。約1週間後、日本郵政を所管する郵政行政部に「放棄・隠匿」と題するグループチャットを立ちあげた。

 そこでは、隠ぺいをうかがわせる事実や情報開示に消極的な本音が飛び交った。朝日から情報公開請求がくると、「まあ木鼻(木で鼻をくくる)でやる」「特別延長してほとぼりを覚めさせる」「1、2年くらい時間をかけてもよいかと」(同10月2日)などと書き込んだうえ、チャット自体が「開示請求の際に対象となり得る」(同29日)として削除した。

 朝日は「独自に確認した」チャットの文面をもとに一連の動きを詳細に報じた。9月2日朝刊一面で「総務省 日本郵便回答に介入か 取材対応案に『答えすぎ』」と追撃。11日に総務省がチャットの不適切投稿を認めながら「保存期間1年未満の業務連絡の行政文書。削除自体は問題なかった」として職員7人に懲戒処分でなく「業務上の注意」で幕を引こうとすると、13日朝刊一面で、削除が朝日の開示請求を受けて行われた疑いを指摘。削除されたチャットの性質についても「1年以上保存すべき、行政の意思決定過程の文書だった」との情報公開法の専門家のコメントを掲載し、姑息な役人のまやかしを一蹴して痛快だった。

 情報公開制度は、報道機関や一般市民も広く利用する。情報公開法を所管する総務省の不埒三昧は、他の役所でも同様の「被害」が日常的に起きている可能性を示唆する。

 残念なのは、それだけ重大な問題なのに報道が朝日の一人旅になっていることだ。毎日24日朝刊のコラム「木語」で「核心を突く部分は『あえて』曖昧にしたまま、幕引きを図ろうとしている」と指摘したが、同業他社の多くは、総務省の発表を12日朝刊で短行、伝えただけ。読売はその会見自体を報道していない。

 他社が報道に参戦しない、というより、できない理由は、不適切行為の「証拠」のチャットがすでに廃棄されているからだろう。報道したくてもできないのが実態ではないか。

 そこで、朝日に提案。「知る権利」を侵害された「いち被害者」として記者会見し、情報源秘匿に十分、配慮したうえで「独自に確認したチャットの文面」資料を各社に開示し共闘を呼び掛けてはどうか。業界常識には反するが、「さすが朝日」と世論の共感を呼ぶことは間違いない。

>>一転、こっちは朝日を褒め、督励してる。朝日しか読んでない俺は朝日の孤軍奮闘ぶりを知らなかった。上述の通り、55年体制(与野党とメディアの談合)をはみ出し、メディア同士の情報交換・共有(ってこれも談合だが・・・)でもやって何かを変えようとあがいているところを見せるべき。俺はネタの共有は談合に当たらないと思う。それをどう料理してどういう記事にするか、について談合しなければ・・・

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