芝浜 談志より志ん朝の方が・・・

 何人かの人が談志の芝浜を聞いて弟子になろうと思ったなどと言う。談春も「赤めだか」にそう書いているから、俺はあんまりいいと思わないが、もう一回だけ、と思って談志を聞く。やっぱりそんなにいいとは思えない。拾った金は42両。魚屋の名は魚勝。

以下聞き比べの結果。

まず志ん朝。はるかにいい。最後の「聞かせ場」のお上さんが騙していたことを告白する場面。泣かせる。談志ではこうはならない。拾った金は50両。魚屋の名前はクマ。

志ん生。「ええ、三木助さんが遠方に言っちまったもんで・・・」で始まる。聞いたことがある。志ん生向きの噺じゃあない。まあ、三木助追悼だろう。しっかりしたお上さんも、酒をやめて立ち直った熊さんも志ん生にはうまく演じられない。だらしない旦那とそれを叱咤激励する上さんという火炎太鼓の夫婦ならいいんだが。拾った金は50両。魚屋の名前はクマ。

元祖の三木助。隅田川で白魚が取れた、という話が枕。談志の噺と同じ筋。やっぱり談志より上。上さん、素晴らしくうまい。でも、泣かせところの上さんの告白は志ん朝の方がいい。お上さんにくらべると魚屋の旦那はイマイチ。威勢が悪い。拾った金は82両。魚屋の名は勝(勝五郎)。江戸っ子の職人の大晦日の過ごし方を如実に描く。ただし、最後の泣かせどころはイマイチ。

小三治。良くもなく悪くもなく。最後の泣かせどころは志ん朝ばり。拾った金は52両。魚屋の名は魚勝。

閑話休題:

この話、フェミニストに聞かせたらどう言うんだろうか?俺には男女平等ないしは女の方が上、と聞こえるが。

しかし、演者によって拾った金の額や、主人公の名前が違うのはなんでだろう?

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