日本で家・世襲が残った理由
日本で家・世襲が残った理由を與那覇潤「中国化する日本」に教えられる。
與那覇によれば、中国では宋時代に科挙が発達・定着した。科挙は、全国の手を上げた有意の者の中から試験で皇帝が官僚を選ぶシステム。科挙によって皇帝が自分の好みで、自分の言う事を聞く者を官僚に選べるようになった。(建前上は、『徳の高い者を選ぶ』とか何とか言っていたが・・・)それまでは、官僚の地位は貴族が世襲していた。
11世紀、北宋では、紙も豊富に生産され、木版印刷が普及していたから科挙が可能になった。
貴族の「家」は官僚の地位を世襲するためにあったが、科挙のおかげで意味を失った。
11世紀、日本では紙も少なく、印刷技術もなかったから科挙はできなかった。日本では貴族による世襲が残り、家が温存された。中国では(というか、日本以外ではと言うべきか)世襲が長く続くことは稀だ。試験の他にも、権謀術数・権力闘争が盛んで、皇帝だって油断すれば世襲は途絶えてしまう。日本では天皇などは、1000年以上「家」を保ち、世襲が続いている。日本人はもともと実力より家を重視するのか?それとも科挙がなかったから家・世襲が続いたのか?
日本では、明治以降官僚は試験で選ばれるようになり、その地位は世襲されることはなくなった。一方、天皇の世襲は維持され、政治家も一部世襲される。やっぱり、家・世襲が好きなんだろう。つまり、実力主義あるいはトップ個人の好み・考えによる人事・抜擢(競争と言い換えてもよい・・・)があまり好まれないのだ。なんたって、憲法第2条に天皇は世襲だと、うたっているくらいだ。変化・えこひいきが嫌いで安定・公平が好き・・・なんでこうなったのか?劇的で大きな変化は起きにくい自然環境が原因か?つまり、自然は、恵みを与えてくれる”神”だからか?人間が下手に考えるより自然に任せた方がいいからか?
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