大瀧詠一・松本隆コンビを考察する

 「Tシャツに口紅」を繰り返し聴いている。このタイトルが「カラーに口紅」のパクリであることは明白だ。我がCOPILOTに「Tシャツに口紅」というタイトルは誰の発案?と聞くが、プロデューサー兼作曲の大瀧詠一か作詞の松本隆の発案だろうが、わからないと。

この「Tシャツに口紅」、歌詞が「夜明けだね 青から赤へ色うつろう空」で始まる。これって、something stupidの歌詞にある

The time is right, your perfume fills my head, the stars get red And, oh, the night's so blue

アナタの香水の匂いを嗅ぐと訳が分んなんくなっちゃって星は赤く、空は青く・・・

のパクリだろう、と見当がつく。(つまり、夜になって空は青くなった後、夜明けになって赤に変わる・・・とsomething stupidの後のことを歌っているのだ

この「Tシャツに口紅」はsomething stupidで幸せだった二人が「カラーに口紅」にあるような男の浮気で分れの危機を迎えた歌、と考えられる。

さて、「Tシャツに口紅」に登場する”色褪せたTシャツに口紅”って何だろう。「カラーに口紅」じゃあ、ピンと糊の利いたカラーにべっとりとついた口紅だったが、この歌では「色褪せたTシャツ」だ。大分くたびれた。

いずれにしても口紅は男の浮気・変心を表してる。男はずる賢く「他に好きな人ができたから別れよう」ではなく「これ以上君を不幸に出来ない」から別れよう、と言う。

二十歳前後で知り合った二人が最初は夢中だったけど、何年もつき合い続けて男が浮気して・・・というシチュエイションか?

以上、俺の勝手な妄想。

「Tシャツに口紅」は、歌詞がいい。竹内まりやの「September」では浮気する男と別れようと言う女の歌。「Tシャツに口紅」は浮気して、もう分かれようか?と言う男の歌。松本隆の天才を感じる。ただし、「Tシャツに口紅」の方は、大瀧詠一との間で上述のような状況設定が行われたんじゃあないか?多分、大瀧が”something stupidで幸せだった二人が「カラーに口紅」にあるような男の浮気で分れの危機を迎えた”という状況設定のアイデアを松本に伝え、それに基づいて松本が作詞したんじゃあないか、と考えられる。

それにしても、倦怠感というか、アンニュイをうまく表現している。この歌、確か1983年の発表。1980年代は世の中ノリノリで浮かれてたんだが、この歌は夢の後みたいだ。騒ぎ過ぎた後の倦怠・・・そこがすごくいい。「色褪せたTシャツ」という言葉ですべてを表している。

そして大瀧の作曲・・・俺には歌詞のリズムへ乗せ方とメロディーはsomething stupidから頂いているように聞こえる。

以下「Tシャツに口紅」の歌詞:

夜明けだね 青から赤へ
色うつろう空
お前を抱きしめて

別れるの?って 真剣に聞くなよ
でも波の音が
やけに静かすぎるね

色褪せたTシャツに口紅
泣かない君が 泣けない俺を
見つめる 鴎が驚いたように
埠頭から翔び立つ

つきあって長いんだから
もうかくせないね
心に射した影

みんな夢だよ 今を生きるだけで
ほら息が切れて
明日なんか見えない

色褪せたTシャツに口紅
黙った君が
黙った俺を
叩いた
仔犬が不思議な眼をして
振り向いて見てたよ

朝陽が星を塗りつぶす
俺たちを残して

これ以上君を不幸に
俺 出来ないよと
ボツリと呟けば

不幸の意味を知っているの?なんて
ふと顔をあげて
なじるように言ったね

色褪せたTシャツに口紅
泣かない君が
泣けない俺を
見つめる
鴎が空へ
翔び立つ
動かない俺たちを
俺たちを
残して

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