永遠に解決できない問題

 上さんがカーテンを通販で買う。到着したカーテンが長すぎる。先方と連絡して作り替えしてもらうことに。たった今、作り直しが届いたがまだ長い。

上さんは当然悲しみ、落胆する。俺にもカーテンの長さを測れ、と言うから測る。俺が測っても上さんの発注した長さより長い。そのとき、俺が「長さの定義が違うんじゃないか?」と”アドバイス”する。上さんは「以前カーテンを買った(別の)カーテン屋はカーテンの一番上端から長さを測って何センチだったから自分はそれが”常識”だと思う」、と言う。かなりイライラした俺は上さんの言葉が終わらないうちに「この世の揉めごとは大体常識が違うから起こってるんだ、先方に『私の常識ではカーテンの長さというのは上端から測るものだ、と思うんですが、貴社の常識ではどこから測るんですか?』と聞け」と再び”アドバイス”。

この親切な”アドバイス”に上さん瞬間大反発。「私の行く事を聞いてよ」と叫ぶ。

そうなんだ。上さんの最優先事項は問題解決じゃあないんだ。夫が自分の言う事を聞いてくれるかどうかなんだ。これって、もう何十回も繰り返されたことで俺も身に染みて分かってるはずなのに、ついつい問題化解決のためのアドバイスをしてしまう。職業病か???男の性か?

これは、死ぬまで埋まらない溝だろう。

確かに問題解決を優先したって幸福になるわけじゃあない。

閑話休題:

背後で上さんがカーテン屋と電話してるが形勢が悪そうだ。結局、常識が違ってることが判明。その常識をカーテン屋はネットに表示してるらしい。上さんの完敗だ。

慰める代わりに「カーテンが長いとどうなるの?」と聞く。

「引きずれる」

「引きずれるとどうなるの?」

「汚れる」

「汚れたっていいいじゃん」…

”この人とは常識がちがう”という顔で黙る上さん。

それでも、上さんは前回より1cm短くなったからいいか、と自分を納得させようとしている。上さんに聞いたら、カーテン業界では±1cmくらいの誤差は常識なんだそう。

閑話休題:

これを書いてる最中に、上さん、吊り金具の位置を調整しながらカーテンをセットする。なんと、カーテンの裾は、ギリ床に触るかどうか。上さんホッとして「なんとかなりましたってカーテン屋さんに電話しようか?」と言う。「やめとけ」と俺。

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