ユーミン + 羞恥心 = 大瀧詠一

 かねてより、ユーミンは悪声だ、と思ってきた。歌なんて歌うべきではない、人様に聞かせる声じゃアないとも。それでも彼女は歌う。それどころか、自分より声がよくって歌もうまい山本潤子をバックコーラスに「あの日に帰りたい」を歌ったりする。つまり羞恥心がないのだ。彼女の歌を聞いて「いいなあ」と思うことは多々あれど、「うまいなあ」と思ったことは一度もない。この「悪声」には中毒性があるようで、聞くうちに次第によくなってくる。

一方、大瀧詠一も歌が下手だ。声はいい。問題は羞恥心だ。恥ずかしがりで照れ屋の彼は歌うことが苦手だ。(特に人前では)アガってしまう。「探偵物語」や「夢で逢えたら」を彼自身が歌うのと薬師丸ひろ子が歌うのを聞き比べれば歌の巧拙がすぐわかる。俺が知る限り羞恥心なく歌えたことが一回だけあって、それは奇しくも彼の最後のレコーディングとされる竹内まりやとのデュエット”sometihng stupid"だ。

ユーミンの旦那、松任谷正隆は大瀧のアルバム”a long vacatuon"に、「遊眠亭主」というイカした変名で参加している。大瀧詠一のことも知ってるだろう。正隆さんに、二人の比較論を語らせてみたい。

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