なぜ日本人2人を殺した米軍人は「英雄」として釈放されたのか…米国人を日本の法律で裁けない「在日米軍」の闇
2014年2月8日付けプレジデントオンライン記載:
実に興味深い記事だ。米兵なら日本で人殺してもアメリカ政府が守ってくれる、という驚くべき事実もさることながら、アングロサクソン―ユダヤのアクロバティックな屁理屈がここまで来ると「ご立派!」だ。岸田君は、バイデンから兵器を買え、と強要されただけじゃなく、こんなことも押し付けられてたんだ。 以下、引用
交通事故で日本人2人を死亡させ、過失運転致死傷の罪で禁錮3年の刑に服していた米海軍大尉が、昨年12月に米国へ移送され、今年1月に仮釈放された。ジャーナリストの岩田太郎さんは「日本で有罪が確定した米軍人の刑の減免は治外法権そのものだ。背景にはバイデン大統領をはじめ米政府高官や議員の圧力がある」という――。
2021年5月29日の午後1時ごろ、妻子とともに富士山への登山を終えた米海軍横須賀基地所属のリッジ・ハネマン・アルコニス米海軍大尉(33、年齢は当時)が運転する乗用車が、静岡県富士宮市で計5台の車に衝突する事故を起こした。片側1車線の国道469号沿いにある飲食店の駐車場に、対向車線を越えて突っ込んだのである。
この事故で、富士宮市の女性(享年85)とその義理の息子で静岡市清水区の男性(享年54)、および女性の娘(53、当時)の3人が、乗っていた車から出た直後、車と車の間に挟まれた。
すぐドクターヘリで病院に運ばれたものの、女性と男性は死亡。救急車で搬送された娘も怪我を負った。
富士宮署は公務外であったアルコニス大尉を現行犯逮捕。
人命が失われたことから過失致死傷容疑に切り替えて取り調べが行われ、アルコニス大尉は居眠り運転による自動車運転処罰法違反(過失致死傷)で起訴された。
2021年8月に静岡地裁沼津支部で開かれた初公判で、アルコニス被告は「事故によって痛みと苦しみを味わわせてしまい、とても申し訳ない」と謝罪する。
地元テレビ局の静岡放送(SBS)は、アルコニス被告の発言を受け、「米軍人の男が起訴内容を認めた」と報じた。
だが、実際にはアルコニス被告側は細部で起訴内容を認めていなかった。
検察は「アルコニス被告が眠気を催し、直ちに運転を中止する注意義務があったにもかかわらず、運転を続けた」としたのだが、被告は「当時は疲労しておらず、周りの状況もよく把握していたが、登山による急性高山病のため突然失神して意識を失った」と主張していたのである。
検察側は、「運転をやめることができたにもかかわらず居眠り運転を続け、2人の尊い命を奪った責任は重い」として、禁錮4年6カ月を求刑した。
この時点で無罪判決を期待するアルコニス被告は、遺族へ160万ドル(約2億4000万円)の賠償金を支払ったとされる。
しかし、静岡地裁は2021年10月、被告の主張を退け、過失運転致死傷の罪で禁錮3年の実刑判決を言い渡した。被告は控訴したが、2022年7月に東京高裁がこれを棄却して刑が確定し、服役した。
だが、アルコニス元受刑者は刑を半分終えただけで、米国へ移送され、2024年1月に仮釈放された。
なぜ、このような結末を迎えたのか。
日本の警察によって、アルコニス元受刑者が医師の診察も受けられないまま、1カ月近く勾留されたことが、日本における米軍人の地位を定めた日米地位協定違反だという主張がなされた。
米軍人・警察官・消防士などが米国内外で法に触れた場合、彼らの権利を徹底的に擁護する「パイプ・ヒッター財団」という支援団体がある。この団体がアルコニス元受刑者の事件を問題視する一大キャンペーンを張った。
米CNNによると、米国務省は、アルコニス元受刑者が日本当局により不当に拘束されたとは認定しなかった。
このため、釈放に向けて政治的解決が模索されることになる。
マイク・リー上院議員(共和党)やマイク・レビン下院議員(民主党)をはじめ、有力な政治家たちがバイデン政権に圧力をかけた。
こうした運動により、アルコニス元受刑者は、刑期を半分終えた2023年12月に米国に移送された。
その直後、今年1月に米カリフォルニア州の法定刑基準で刑が転換され、十分な期間服役したと判断されて仮釈放された。
日本で服役していれば2025年7月まで社会に出てこられなかったはずだが、仮釈放中とはいえ、アルコニス元受刑者は自由の身となった。
当然、事故の遺族としては納得がいかないだろうし、部分的に米国人の「治外法権」を認めたようなもので、釈然としない。
国際刑事司法に詳しい立命館大学の越智萌准教授は、「ABEMA」の番組で、「日本と米国は受刑者が釈放後に一番社会に戻りやすい場所で服役させる趣旨で締結された『受刑者移送条約』の締約国であり、アルコニス大尉はこの枠組みに基づき米国に移送された」と指摘。
さらに、残り1年半の刑期については、「日本で認定された過失致死は変えずに、カリフォルニア州の刑法の場合どれくらいの罪に当たるかが再審査され、同州においては最大禁錮が16カ月であることから、日本では既に17カ月以上刑に服したアルコニス元受刑者の法定刑はすべて日本で服役したと判断された」と解説する。
米国側が、政治的な圧力と2つの国際条約をアクロバット的に用いて、残りの刑期を無理やり短縮させたようにしか見えない。
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