苦手なコンサート

 客がたくさん立ち上がるコンサートは夫婦そろって苦手だ。いくら周囲の人たちが立ち上がっても、絶対に、頑なに立ち上がらない。なぜかは分からない。なぜ立ち上がるのか?と逆に聞きたい。立ち上がろうが立ち上がるまいが別にどうでもいいんだけれど、頑なに座り続けていると、ものすごい同調圧力に抵抗するのが苦しい。

従ってコンサートの切符購入にあたり、「立ち上がるコンサートかどうか?」は非常に重要な判断基準だ。当然「立ち上がるコンサート」はパスだ。今井美樹だったか、薬師丸ひろ子だったか(多分今井美樹だったと思う)のコンサートでその判断を誤り、ひどい目に合った。上さんが隣で一緒に戦ってくれるから立ち上がらずに済んだ。二人で顔を見合わせて小さな声で「嫌だね。」とか何とかささやき合った。

会場に、立ち上がらない人ばかりが集まった一角を設けるとか、立ち上がらない客ばかりのコンサートなんてやってくれないか?(客が誰も立ち上がらないと演者が乗りにくくて嫌がるかな?)

元来、日本人は歌や踊りや・・・芸・・・を見て興奮してもみんなで立ち上がるなんてこたぁしなかったと思う。立ち上がるにしても一人で立ち上がり、拍手するか銭を投げるか大声を張り上げた。そして俺が一番嫌いなのは、客が息を合わせて、北朝鮮のマスゲームよろしく同じ踊りだか身振りをすることだ。もちろん俺自身はそんな恥ずかしいことはしないのでそんなことをする理由も快感も分からない。客の息の合ったパフォーマンスをTVで見て「バカじゃねえか」と思うだけだ。

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