先崎彰容の紹介する坂口安吾の日本人論

 先崎彰容「維新と敗戦」に坂口安吾の言葉が紹介されている;

戦争と言うから戦争と思い、終戦と言うから終戦と思い、民主主義と言うから民主主義と思い、それだけのことでそれは要するに架空の観念であるにすぎず

政治というものは、常に現実をより良くしよう、しかし急速に、無理をして良くするのではなく、誰にも被害の少ない方法を選んで、少しずつ少しずつ良くしようとすること

…戦争・終戦・民主主義、いずれにしてもワンフレーズの言葉が世間を覆いつくし、善悪の判断基準になってしまう。このような蛮勇を安吾は嫌悪し拒絶した。安吾にとって天皇と共産主義という対立軸は存在しない。むしろ天皇や共産主義と対立するのは永遠に網にかからぬ「魚」、つまり人間なのである。あるイデオロギーに滅私奉公するならば、戦前と戦後の断絶は存在しない…安吾は一貫してこの現実にいらだっていた。

>>昨日までは天皇陛下万歳、今日からはマッカーサー万歳。度し難い日本人。俺はいらだたない。This is Japaneseと諦める。そして、流行のワンフレーズを嫌悪し疑い拒絶する。例えばコンプライアンス、ポリティカルコレクトネス、人生百年時代、多様性、働き方改革、原発反対、戦争反対…この流行語を作るヤツ、流行語で稼ごうというヤツにはいただつ。

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