昭和天皇は大正天皇の実子ですか?

東映のヤクザ映画の脚本 を書いていた笠原和夫さんの対談を記載した「昭和の劇」という本を読んでいる。面白い。その中で笠原さんは、大正天皇には性的能力がなく、奥さんの貞明皇后の産んだ大正天皇の子供とされる4人の男子は、それぞれ父親が違っていて、皇后は次男の秩父宮が好きで秩父宮を皇太子(天皇)にしたかった、秩父宮自身も天皇になって自分の代で天皇制を廃止して革命を起こそうとしていた、などという「伝説」を真剣に語る。もちろんそんなことは初耳だし、虚を突かれる発言で、想像力を刺激された。天皇や皇室に関するスキャンダルは戦前は不敬として厳しくコントロールされたし、戦後もかなり忖度があった。笠原さんが言うような「不敬」なことは、ほとんど耳にしなかった。

昭和天皇は大正天皇の実子ですか?とBingに聞く。答えは:

昭和天皇は大正天皇の実子ではありません

昭和天皇は大正天皇の実子ではありません。 昭和天皇は大正天皇の第1皇子であり、大正天皇は明治天皇の子供です。したがって、昭和天皇は大正天皇の実子ではなく、明治天皇の子供です【1】【2】【3】。

これは理解不能。答えになっていない。同じ質問をCopilotにすると、 昭和天皇は大正天皇の実子だ、と。但し、もちろん、DNA鑑定的な”科学的根拠”は示されない。根拠は「資料にそう書いてある」というだけだ。
加えて、そういう噂が出てくるのは大正天皇の肉体的/精神的能力が著しく劣っていたからだ、ということも併記されている。
宮中某重大事件(皇太子裕仁…のちの昭和天皇…の婚約者選びを巡って山縣有朋が暗躍した問題)や皇太子裕仁親王の欧州訪問(将来の天皇として見聞や海外人脈を広げるために必要という賛成論と大正天皇の健康状態を考慮すれば皇太子は危険の多い、海外などには行くべきでないという反対論で揉めた)問題などに関するWikipediaの記述では、貞明皇后は、皇太子裕仁に好意を持っていないようにも見える。また、昭和天皇の弟の秩父宮は226事件を起こし、昭和天皇を批判した青年将校たちに同情的だったことは事実のようだ。

こうした「伝説」の真偽は永遠に分からないだろうが、想像力を刺激されることは間違いない。
天皇家が支配を確立したと思われる5世紀以降の歴史を振り返っても、後継天皇を巡る揉め事は、天皇家の人々以外にも、それを利用しようとする取り巻きの連中の権力闘争や政変を引き起こしている。例えば、山縣有朋は宮中某重大事件で敗れ、失意のあまり病気になって翌年死んだという説もある。

天皇家は近親結婚を繰り返していたこともあって、千年以上の歴史においては、大正天皇のような天皇は少なくなかったと思われるし、大正天皇は実子がいなかったなどという説が本当なら万世一系も、男系天皇もない。俺は万世一系やら男系天皇などはどうでもいい。ただ、そういうフィクションが好きな日本人って面白いなあ、と思うだけだ。俺に言わせればいるはずのない神を信じるキリスト教徒なども興味深い。俺が興味あるのは日本人はどうして万世一系が好きなのか、キリスト教徒はなぜ絶対神を信じるのか、その原因・理由だ。

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