浅田美代子@あんぱん
上さんがNHKの朝ドラ、「あんぱん」を見るので俺も付き合ってチラ見。
第44回、45回は実に面白かった。面白かったから再放送を録画して見返す。
第44回の見どころは浅田美代子の演技。家族そろっての夕飯時、吉田鋼太郎扮する爺さんが怒って大声で怒鳴る。隣に座った浅田美代子扮する婆さんが爺さんの方に手をかざして爺さんを止めるような、なだめるようなしぐさをしかかるが、途中で手を引っ込める。その表情、演技が素晴らしい。浅田は晩年の樹木希林の薫陶を受けたらしいが、それがこの演技に出たのか。50年前は歌の下手なアイドルだったのだが・・・
セリフを言って止めたりなだめたりせずに、表情と手の動きで表現する・・・演出もいいが、演技もよい。
第45回。陸軍が吉田爺のパン屋に乾パンを発注するが、阿部サダヲふんするパン職人がを頑なに焼こうとしない。「陸軍の発注を断るなんて」と吉田爺の嫁や孫が婦人会や職場でいじめられる。それを知って吉田爺がパン職人に「乾パンを焼かない訳を話せ」と迫るが話そうとしない。爺が訳を聞くのはあきらめ、ただ「家族のために乾パンを焼いてくれ」と土下座するとパン職人は訳を話す。(がその内容は視聴者には分からない・・・いずれまた阿部サダヲが再登場して話すことを暗示している・・・視聴者には過去に、陸軍か乾パンについて、とても嫌でつらい思い出があることは分かるだけだ)
場面は翌日に切り替わってパン職人が乾パンを焼いて焼き方を江口のり子扮する嫁に教えるが、翌朝早くに出奔する。それを黙って見送る爺。孫(主人公)が止めようとするのを「やめとけ」と制すが、その訳は明かさないままにする。
吉田鋼太郎や阿部サダヲの演技もさることながら、演出、台本がすばらしい。
池津祥子扮する婦人会会長の軍国婦人ぶりもとってもいい。唾棄すべき蛇蝎のような厭らしさ。俺の一番嫌う日本人の厭らしさだ。俺は戦争は肯定する。だが銃後の婦人も兵隊さんのことを第一に考えろみたいな「一億火の玉」・「全員参加」は大っ嫌いだ。
ちなみに池津は「いけづ」と読ませる。役柄とぴったりだ。阿部とおなじ「大人計画」所属。
主人公には二人妹がいる。上の妹は好きな人を兵隊に取られ、死なれてしまい、兵隊さんを応援する気になれない。その気持ちを分かりつつ婦人会では健気に軍国婦人を演じる母親。下の妹は無邪気な軍国少女。その女どもの対比がいい。
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