モーリス・シュヴァリエを見る映画

 昼下がりの情事・・・ビリーワイルダー監督、オードリーヘップバーン、ゲーリークーパー主演の映画。ヘップバーンとクーパーが恋に落ちるのだが、まずヘップバーンがきれいでない。角ばった眉毛ばかりが目立つ。クーパーは50代後半で老いが目立つ。映画の半ばで二人の会話もつまらなくてダレる。クーパー演ずるアメリカの金持ちに雇われて「魅惑のワルツ」を演奏するカルテットも途中から鼻につくように。

終盤、クーパー演ずる金持ちプレーボーイが真剣に恋に落ち、シュヴァリエ演ずる探偵に正体不明の女の素性や素行の調査を依頼に来る。話を聞くうちにシュヴァリエは問題の女がヘップバーン演ずる自分の娘であることに気づく。そこから俄然、面白くなる。気づいた瞬間の表情、そしてプレーボーイの金持ちには不釣り合いだからクーパーに娘と別れるようアドバイスし、自分が父親だ、と告白するシュヴァリエ。この時のシュヴァリエの表情が何とも言えない。こんなこと、実際にはありえないのだが、シュヴァリエは実にうまく演ずる。

シュヴァリエのアドバイスに従って、別れるつもりで汽車に一人乗りこむクーパー。見送りにきたヘップバーンが口では大丈夫、と強がるくせに目に涙。それを見たクーパーがたまらず抱き上げてキスして映画は終わる。キスされて幸せの絶頂の表情のヘップバーンの顔のアップ・・・この映画で初めて美しかった。

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