池田晶子の言葉「人生の句読点」

 人生の一回性、喜びも苦しみも、一回限りの経験である、そういう経験の総体としての人生というものそれ自体が、一回限りのものである。一回限りで過ぎてゆき、二度と戻らないものである。このことを人は分かっている、深いところで誰もが了解しているのである。だからこそ人は、過ぎゆかないものを求める。過ぎてゆくものにおける過ぎてゆかないもの、過ぎてゆくけれども巡るもの、を求めて、見出し、嬉しいのである。「今年も花が咲きましたね」、と言えることの幸せ。ゆえに、季節とは、過ぎゆく人生の句読点のようなものだろう。一回性における永遠性、永遠の循環性を見出す時、人は、自分が自分の人生を生きていることの奇跡をも知るはずである。

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2月には梅が咲き、3月末には桜が咲き、10月初めには金木犀が咲き・・・繰り返されることの不思議。奇跡と呼んでいい。去年と同じモノが咲くわけではないから咲く方から見れば、一回限りとも言える。一回限りが繰り返される奇跡。死なずにいたからこそ味わえる数少ない喜び・幸せ。そして年取ってその喜び・幸せを一緒に味わえる人がいるのが最大の奇跡。

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