嗚呼、3年間

 昨日、未就職あるいは一回就職したが転職を希望する若者に就職先を斡旋・紹介する商売をしている人と話をする機会があった。「3年我慢できれば…」と言う。つまり、転職したって3年間はその会社の人間関係や仕事のやり方になじむのにかかる、3年以内で転職したって、する方もされる方も時間の無駄だと。

俺が就職した49年前、先輩から「石の上にも3年。3年間我慢しろ。その3年は会社から見てもお前を仕込む期間。3年の間に仕事を覚えて4年目から会社にお返しをしろ。」と言われたのと状況は全く変わっていない。

少なくとも過去50年間は日本の会社は新入社員の受け入れ体制を変えていない。つまり、何も知らない若者がいきなり入って来て仕事ができるようにはなっていない。だからと言って何も知らないまま就職させるのでなく、就職前の若者に会社員の仕事のやり方を仕込むわけでもない。だからコミュ力や忍耐力がない若者はどんどん落ちこぼれていくんだそうだ。(落ちこぼれの行き先は闇バイトか・・・)

それでも会社が回る方が不思議だけれど、これが原因で潰れた会社というのも寡聞にして知らない。

俺は若者に3年以上勤め続けさせることを考えるよりは、3年以内で辞めることを前提とした若者教育・会社の体制を考えた方がいいように思う。

学校卒業後、会社に就職しようと言う若者には予備校に入れて1,2年間会社でのコミュニケーションや基本的な仕事のやり方を教える。この予備校の運営コスト(の一部)を会社で出し合ってもよい。会社側も人事の仕事なら人事の仕事、経理なら経理、塗装なら塗装、組み立てなら組み立て・・と専門技術別に各社共通のマニュアルを作り、講師も会社から出す。予備校の卒業生は基礎的な専門技術を身につけるとともに、いい技術とは何か、いい技術と評価される評価基準を知る。

予備校を卒業した若者が就職する。転職したければ人事の仕事、経理なら経理、塗装なら塗装、組み立てなら組み立てと、自分の専門の技術をもって転職する・・・

会社は社員を「取り換え可能な部品」として扱い、社員が辞めたら予備校のルートもしくは他社から専門技術を有する部品の補充をすればよい。社員の方は①取り替えられないくらい高い評価を得ようと技術を磨く②いつ取り換えられてもいいように、1円でも高く売れるよう技術を磨く③もっと上の技術やハイ・キャリアを目指して自ら転職する・・・

閑話休題:

上記は今ある「会社というもの」がまだまだ続くという事を前提としているが、民主主義や資本主義がオワコンとなった今、”会社”というものがいつまで続くのか???そう思えば今は何もしないでじっとして会社なるものが崩壊するのを待つ、という手もある。一番いいのは既存の会社なるものなんかに就職せず、新しい仕事・組織を産み出すことだ。


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