Billie & Stan

 Stan GetzのDiscographyを見ていたら、Billie Holidayと共演している”Billie & Stan"というアルバムがあることを発見。全く知らなかった。1951年録音か?Storyvilleレーベル。確かに二人とも1950年代前半、Storyvilleと契約している時期があった。YouTubeで全曲聞ける。Stan Getzの出番はごくわずか。(言われないとわからない・・・)

一方で、Billie Holidayは実に味わい深い。1930年代から歌い慣れた(俺にとっては聞き慣れた)歌を鼻歌のようにリラックスして歌う。傑作と言うアルバムではない。かなりいい加減に崩して唄う。でも、肩に力が入ってなくて俺は好きだ。

Billie Holidayというと、差別され、男には騙され、酒と薬に身をやつし・・・みたいなイメージ先行で、悲惨な人生を送った女、差別に抵抗する黒人みたいに聞いてしまう。聞く方も肩に力が入ってしまう。俺はそれが嫌で若くて、まだ苦労をあまりしていない時期の彼女の明るい歌が好きだった。このアルバムの彼女の歌は「私だって力を抜いて鼻歌だって歌うわよ」と言ってるみたい。

閑話休題:

Bilie Holidayは1959年に44歳で死ぬが、その前年に吹き込んだアルバム”Lady in satin"は上述の”Billie & Stan"とは真逆の、壮絶な歌声。しゃがれた声でマジに歌う。聞いてる方がつらくなる。これもBillie Holidayだ。脳天気に鼻歌を歌ってるレコードも録音すれば、マジで壮絶な歌声も残す・・・この頃のアメリカはGreatだった。誰かが言っていたが、recordの原意は記録であり、レコードは演ずる人の「記録」であると。Billie & Stanは、「こんな歌い方もするんだよ」という、Billieの別の一面を見せてくれる。歌手としての彼女の記録だ。

このアルバムをYouTubeに載せてくれたtaro crossさんは面白い。レコードを片面ずつ再生するところをYouTubeに載せる。映像はターンテーブル上のレコードに針を乗せて再生が始まり、ぐるぐるレコードが回ってるだけの動画。かなりの面倒臭がり屋だと見た。

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