社稷
社=神様のいる場所・土地
稷=粟=食物
社稷=食物を生んでくれる神様・土地
所有者が定まっていない広大な土地が目の前に広がるアメリカでは土地は早く唾を付けた個人の所有となり、土地を所有して使う自由が重んじられた
中国・日本においては、土地は食物を生んでくれる神であり、個人が所有すべきものではなく、家(血の繋がった一族)が共有する。一族は同じ神を共有する。これを社稷と言う。日本では7世紀に律令制が始まり、その当初は土地は私有物でも家の物でもなく、「公地」だったが、新たに開発される土地については家による所有が復活した。鎌倉時代になると、土地の所有権は幕府が決めるようになり、土地を安堵してもらう代わりに「いざ鎌倉」と忠誠を誓うという契約関係が始まった。
1930年代「昭和維新」を標榜した者達は、「社稷」の復活=土地の公地化→農民への再分配を求めた。これは敗戦後、占領軍によって実現されたが、土地の個人所有が認められた農民は後世、土地を売って農業をやめるようになる。
「会社」も忠誠を誓えば一生面倒を見てくれる神様で社稷の現代版であったが、今や株主の物に成り下がり、社員も忠誠を誓うようなことはしない。
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