ゴジラ第1作を見る
ゴジラ映画第1作は1954年に発表された。(俺と同年齢だ)70周年記念でTVでゴジラ映画を流す。NHKで第1作を見たが、素晴らしい映画だと思う。
ゴジラは水爆の影響で生まれたという事を学者が国会で発表し、物的証拠(足跡から放射能が検知された)も示されると、保守政党の代議士(おじさん)が「水爆でゴジラが生まれたなんて情報は公になるとややこしいから秘密にすべきだ」と言い、それを聞いた共産党(社会党?)の女議員が「事実は事実なんだから公開すべきだ」と叫び、大揉めになる。風刺が効いててよい。今も当時と全く変わっていない。
おじさん代議士は単に国民がパニックに陥ることだけを心配したのではなく、アメリカに対する忖度もあるだろう。女議員もそれを感じて反米の意味で「公開しろ」と言ったのではないか?
これはゴジラ映画共通の問題?だが、ゴジラをやっつけようと自衛隊が攻撃して全く通用しない。これは自衛隊を馬鹿にし、否定しようと言う意図か?はたまた「日本を守ってくれる自衛隊」をPRしようと言う意図か?どちらかと言うと俺は後者を感じる。
閑話休題:
若々しく初々しいい宝田明と河内桃子。特に河内桃子の細いウェストが素晴らしい。宝田明はジャニーズ系の顔とヘアースタイルと眉。
前年の1953年に始まったテレビ放送も効果的に使われている。(TVクルーが塔に登ってゴジラの暴れている様子を実況放送していたが、塔がゴジラに倒される)
河内桃子の父親でゴジラは水爆の影響で生まれたという事を発表した学者を演じる志村喬。志村喬は、ゴジラと同じ1954年に発表された「七人の侍」にも出ていた。怪獣映画には相応しくないような重厚な俳優だ。(ただし、この「ゴジラ」第1作は怪獣映画というより政治や国際関係、核兵器に対する風刺・問題提起だ。)
終わり方も中々だ。俺の記憶では他のゴジラ映画ではゴジラ退治はモスラその他の怪獣にやってもらうことが多いのだが、本作では日本人が自分で作った新兵器でやっつけるのだ・・・志村喬演じる学者の弟子の若い科学者が水中の酸素のエネルギーを使って水中の生き物を殺し、溶かしてしまうという兵器を開発する。自称「水爆よりすごい威力」で、こんな兵器でゴジラをやっつけたことが悪い奴にバレると技術を盗まれて悪用される、と頑なに実使用に反対だ。これが河内桃子と宝田明に説得にされてゴジラ退治に出向く。彼は事前に兵器の設計図を燃やす。そして海中でゴジラを攻撃し溶かすのに成功するが、それを海中で見届けたあと、自らも命を断つ。自分が死んでこの恐ろしい兵器が再び使われる可能性をゼロにしたのだ。
伊福部昭のテーマ音楽もよい。その後のゴジラ映画にも繰り返し使われている。この映画ではバイオリンが大きくフィーチャーされるが、黒柳徹子の父親がバイオリンを弾いた。
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