佐藤愛子「九十歳。何がめでたい」 痛快!(10)

 佐藤愛子さんはある娘に騙されて30万円をだまし取られた。その娘が警察に捕まって親が30万を返したいと刑事に託す。刑事の持ってきた金を見た佐藤愛子さん:

何と言うヨレヨレのお札。百円札やら十円札があったかしら。一円札もその頃はまだあったかも知れない。とにかく色とりどりの、シワクチャやらふちがめくれ上がったのやら、それから小銭もあったと思う。正直者の父親と母親があっちこっち駆けずり回って、頭を下げ、涙を拭いて借りて廻ったお金だろう。貸した方もそう豊かではない人達だろう。金持ちはこんなお札はもっていないだろうから。そんなお金を、どうして受け取れよう!私はこのお金は我が家の蓄えのすべてであったことを忘れたのである。


>>こういう想像力、忖度こそが日本人の美徳だ。「取られたら何が何でも取り返す」のは日本人ではない。ユダヤーアングロサクソンだ。

しかし、俺は自分のためにせよ、家族のためにせよ、この両親のように「あっちこっち駆けずり回って、頭を下げ、涙を拭いて」金を借りるなどという事ができるだろうか?そんな惨めなことはできないように思う。そして、この両親は俺よりはるかに上等だと思う。

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