護衛艦ドローン動画事件 読売・朝日を読み比べる

5月14日付け 読売新聞オンライン 社説 に以下(抜粋):

護衛艦の空撮 基地警備の脆弱さにあきれる

ドローンの侵入を許して、護衛艦の甲板近くまで空撮されるとは。自衛隊の警備のお粗末さにはあきれてしまう。

 防衛省は全国の基地で警備体制に抜かりがないか点検し、対策を強化すべきだ。

 中国の動画投稿サイトに3月下旬、神奈川県の海上自衛隊横須賀基地に停泊中の護衛艦「いずも」をドローンで撮影したとする動画が載り、SNSで拡散した。

関係者によると、中国人がいたずら目的で撮影した模様だ。

 横須賀基地には海自の司令部機能が集まっている。もしドローンが攻撃型で、爆弾を落としていたらただ事では済まされなかった。警備が 脆弱ぜいじゃく で、ドローンを捕捉できなかったという事実は重い。

横須賀基地とその周囲300メートルの上空は、小型無人機等飛行禁止法で管理者の許可なくドローンを飛ばすことが禁止されている。再発防止のためにも、防衛省と警察当局は撮影者を摘発すべきだ。

 SNSにはまた、米海軍横須賀基地に停泊中の米空母「ロナルド・レーガン」とみられる空撮動画も投稿された。

 横須賀は、米国外にある米軍基地のうち、唯一の空母の拠点だ。日本の技術者は質の高い保守・点検機能を提供しており、米国から信頼されている。日本側の落ち度でドローンの侵入を防げなかったことは、ゆゆしき事態だ。


5月10日付け朝日新聞デジタル以下:

護衛艦ドローン動画、本物か 防衛省分析、当初はフェイク示唆

SNS上で拡散した海上自衛隊の護衛艦「いずも」をドローンから撮影したとみられる動画について、防衛省は9日、ドローンが実際に横須賀基地(神奈川県)の上空に侵入し撮影した可能性が高いと結論づけた。海自の施設への危害は確認されていないが、自民党から「安全保障上の重要な問題」(小野寺五典・元防衛相)と厳しい声が出ている。

 動画は約20秒間で、横須賀基地に停泊中のいずもに、後方から近づき、甲板上空を移動しながら撮影した様子が収められている。防衛省によると、動画は3月26日、中国の動画投稿サイト「bilibili(ビリビリ)」に投稿され、その後、X(旧ツイッター)で英語、日本語、中国語で拡散された。木原稔防衛相は4月2日の記者会見で「悪意をもって捏造(ねつぞう)されたものである可能性を含めて現在分析中」と述べ、「フェイク動画」の可能性を指摘していた。しかし、防衛省が周辺の植物や建物を含め動画と実物を比較・確認した結果、実際に撮影された可能性が高いと結論づけたという。

 国内では、小型無人機等飛行禁止法に基づき、対象防衛関係施設に指定された自衛隊基地や周囲約300メートルの上空で、許可なくドローンを飛ばすことが禁止されている。横須賀基地も対象で、ドローン探知用の器材は配備していたという。

 防衛省は9日、分析結果を自民の会合に報告。「あってはならない事態だ」などと対処を求める声が相次いだ。一方、中国外務省の林剣副報道局長は9日の記者会見で、「その動画がどこから来たのか私は承知していない」と述べた。(里見稔、田嶋慶彦、北京=井上亮)

<<読売、朝日の特徴が出ていると思う。

まず、共通点:

小型無人機等飛行禁止法を引き合いに出すが・・・意味はない。どうやって国を守るのか?には本質的には関係ない。戦争になったら、こっちもこんな法律を無視して敵国を偵察するし、敵国もまた同様だ。朝鮮戦争の時には日本国憲法だって無視された。

俺は「この動画で他国にバレては困る致命的な情報が漏れたのかどうか?」を知りたいが何も書かれていない。このことに触れるのは国防上のタブーかも知れない。致命的な情報が洩れてなければ、”とにかく明るい安村”みたいに、「安心してください」と言うだろう、と考えると、かなりヤバイ情報がこの動画には映っていたのか??

まず、読売:

お粗末さにあきれる・・・社説を書いた人(或いは読売新聞として?)は、自衛隊に日本を守ろうというつもり・準備・体制がある、と誤解していないか?それとも、「自衛隊なんて当てにならない」と分かっていて、あきれるほどダメな自衛隊にはアメリカ様のご指導ご鞭撻が必要だ、と言いたいのか?朝鮮戦争という緊急事態を前にアメリカは、自分で押付けた平和憲法を無視して日本に自衛隊を無理矢理作らせた。その後も日本は憲法も国防も自分の頭で考えず、自衛隊と憲法の整合も取ろうともせず、自衛隊を「まま子」扱いし、外交もアメリカ様にお任せだ。一旦、アメリカから離れてゼロから自分の頭で日本の国防・外交を考え直すべき時期だろう。当然、その際は、憲法を守って自衛隊も米軍もなしで丸裸になることを選択肢に入れて考え直すべきだ。今日に至るまでそんなこともできない日本(人)がお粗末なのだ。今の自衛隊はお粗末以前だ。自衛隊は憲法上もまた出来た経緯もいかがわしい存在だ。そんな自衛隊にまともな人材が入り、まともに運営されるわけがない。

中国人がいたずら目的で・・・犯人は中国人らしいと書いている。「関係者がそう言ってる」らしい・・・って言われても中国人犯人説の根拠・信ぴょう性はわからない。ともかく、中国を悪者にしたいらしい。

爆弾を落としていたらただ事では済まされなかった米国から信頼・・・悪者中国から身を守るため、自衛隊にもっと金を使え、アメリカ様から最新のモノを買え、と言いたいのか???

「中国は怖いぞー。憲法だ、国防だ、グダグダ言わずに黙って俺の兵器を買え」というアメリカ様の代弁をしてるように思われる。

続いて朝日:

自民党から「安全保障上の重要な問題」(小野寺五典・元防衛相)・・・自民党以外の人はどう言ってるのか?を知りたい。

自衛隊は自民の会合にしか報告しないようだ。自民党にしか報告しないことの方が自衛隊の体たらくより重要な問題ではないか?自民党(の一部の人)以外に国防を「自分ごと」と考える党や政治家がいないというのか?そっちの方がよっぽど由々しき事態ではないか。

犯人については、中国外務省の林剣副報道局長が俺は知らないよ、と言ったことだけ書く。読売の中国人犯人説と対比すると面白い。「どうせ犯人なんて分かるわきゃあねぇからどう書いてもOKだろう。」ということか?

閑話休題:

保守親米の読売、革新反米の朝日。本当は親中で行きたいが最近中国の評判が悪く朝日の方が旗色悪い。かつての巨人阪神みたい。片ややんわり「中国犯人説」を書き、片ややんわり「中国犯人説」を否定。互いに相手の立場、役割を尊重し、また、自分の立場、役割を演じる・・・談合してるが如し。

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