「つばさの党」に想う

つばさの党の奇矯な言動は確信犯的に行われていると思う。日本の若者の絶望を体現しているのではないか?とも感じる。絶望して暴力を使うという点が5・15や2・26を引き起こした若い将校たちに似ている。戦前の将校たちは銃という暴力を使い、つばさの党はターゲットとする人の個人情報の暴露・流出という暴力を使う。

俺も日本に絶望しているが、年を取ってる分、あせりというか切迫感ばない。「若い時は結構面白かったし、日本がこれからひどくなってもそれほど長生きしないだろう」ってな具合。

戦前の若い将校たちは、その純粋さゆえに同じように絶望していた国民から支持され、政治家役人をビビらせた。軍の上層部はこれを政治的に利用し、日本を”占領”した。同様のことがこれから日本でも起きるのかもしれない。

つばさの党についてネットに当たった結果を2件。

その1

<文春オンライン(5月30日号)「つばさの党」黒川敦彦代表の“内縁の妻”外山麻貴市議(52)に直撃70分>より以下抜粋:

「本当に馬鹿馬鹿しいと思うけど、今回だって(自民党の)裏金はお咎めなしじゃないですか。本当の一番上で、裏金を操ってた人なんか全く咎めもされない。クソみたいな政治家がクソみたいな政治をやってる。つばさの党は、クソみたいな政治やってんなよって、言葉は悪いかも知れないけど、切り込んで行ったわけ。

 お金のためにこんなことやるんだったら、黒川も根本もインテリなんでいくらでも金儲けができるんですよ。でも、今の日本の政治が腐ってるからおかしいじゃないかっていうことを真っ向から言いに行った。そしたら、本来はもっと、論争になると思ってたんですよ」

 政治家に対して質問しちゃいけないってことでしょう? 街角で政治家に対してちょっと『おかしいじゃないか』って言ったら逮捕される。明らかに弾圧でしょ。後世の歴史の教科書にも残るかもしれない。それほど弾圧して、(小池氏の)学歴詐称のことが知られたくないんだなと思いますけど」

その2

2024年5月14日付け”ALFREDTEA”より以下のつばさの党の紹介記事:

党の主張

つばさの党の願いは、あらゆる停滞の打開です。日本の歴史と伝統を守るためには、国家として優秀な人材を育てるために、未来に投資して行く必要があります。 目先の利益にばかり振り回される今の悪しきグローバリズムの世を変えるために、皆さまと一緒に羽ばたいて参りたいです。

具体的な政策

・中央銀行制度の抜本的改革
・消費税ゼロ・金融資産課税
・対米自立・反グローバリズム
・歴史・伝統・文化の継承
・デジタルデモクラシー
・ベーシックインカム・ベーシックキャピタル
・原発ゼロ・再生エネルギー
・行政改革・官民格差是正
・1次産業の振興と国民の体力向上
・性と真っ向から向き合う社会の実現


クソみたいな政治家に何を言っても論争にはならない:

彼らは国会で議論がおこなわれないことにも絶望してるんだろうと思うが、日本人は(何人でもそうだろうが)「同じ土俵で戦える」と思わなければ論争も議論もしない。キリスト教、イスラム教(一神教)の信者は「相手も同じ神様という土俵の上にいる」と信じて議論・論争をする。日本には「土俵」が神様と同じだけある。極端に言えば一人一人土俵が違う。そして、国会でも、与野党で土俵が違う。議論ができない日本人には民主主義も不向きだと思う。議論が論でなくなって命を賭けて自分の神様を守ろうという戦いになってしまう。

クソをクソでなくすには優秀な人材に入れ替わってもらうしかないのではないか?クソに論争をけしかけても脅しても非難しても変わらない。せいぜい”弾圧”するのが関の山だ。クソでない政治家を生み出すことを考えるか、戦後民主主義を捨てて日本人向けの新しい政治体制を考え出すべき。

>>日本の歴史と伝統を守るためには、国家として優秀な人材を育てる & 対米自立

100%その通り。ただし、守られるべき日本の歴史と伝統とは平安時代や江戸時代の鎖国・無風状態なのか?それとも、飛鳥時代、戦国時代や明治から敗戦までの外圧・好戦状態なのか?日本人の歴史を振り返ると、一貫して自然・先祖に対する尊崇が見られる。「自然の成り行きに任せ、ちっぽけな人間の計らいを排す」「先祖はもちろん、先に生まれた人・既成事実を無条件に神様のように扱う」ということだ。彼らが守りたい「日本の歴史と伝統」とは何だろうか?

また、日本の歴史上、唯一、外圧なしに政治の主人公が変わったのは平安末期(12世紀)、貴族から武士に政権が移った時だ。

歴史や伝統を重んじるなら歴史に学び、「日本人とは何者か」を学ぶことが必要だろう。そして是非、今の平和憲法が日本人に向いているか、いないか判断して欲しい。デモクラシーも政治も憲法の上に成り立っているのだから。

国家として優秀な人材を育てるには、教育が必要。教育を良くするにも対米自立するにも優秀な人材が日本の支配者(戦後民主主義においては政治家・役人)になることが必要。そんな悠長なことはやってられないほど彼らの絶望は深いのだろう。しかしテロはいけない。俺は暴力は否定しない。頭にきたから殴る、蹴る、戦争する・・・しょうがねえだろう、我慢すると体の毒だ、と思う一方、暴力を利用し、暴力で脅して何かをしようというテロはいけないと思う。彼らのテロ行為が十分政治家役人を脅す効果がある、となると、それを利用して政治を乗っ取ろうという勢力が出て来る恐れがある。それが戦前の日本の歴史だ・・・彼らはそれを繰り返したいのか?

閑話休題:

つばさの党に関する報道をざっと見てみたが、文春オンラインが一番まともでよかった。つまり、「つばさの党って何者?」ということを教えてくれた。

性的スキャンダルの暴露で恐れられる文春砲も、W不倫してる黒川・外山の二人には不発。あっけらかんと「そうです」と認められ、居直られると文春砲も立つ瀬がない。つばさの党においてはW不倫もポジティブに受け止められる感じ。

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