It happened one night(或る夜の出来事)を見る
1934年コロンビアピクチャーズ、フランク・キャプラ監督、クラーク・ゲーブル、クローデット・コルバート主演。「フランクキャプラ」、「或る夜の出来事」「コロンビアピクチャーズ」をWikiると:
この映画は1930年代に流行ったスクリューボールコメディー及びロードムービーの元祖。
スクリューボールコメディー:常識にとらわれない登場人物、テンポのよい洒落た会話、つぎつぎに事件が起きる波乱にとんだ物語などを主な特徴とする …ストーリーのオチがどうなるかスクリューボールのように見当がつかない…。
ロードムービー:旅の途中で起こる様々な出来事が、映画の物語となっている。旅をしているため、場面の現場が移り変わっていくのが特徴である。
VTRで見る。(1月に一回くらいVTRデッキを動かしてデッキの調子を見る)。テープの箱に1986 RCA/Columbia Picturesとある。アメリカに出入りしていた時期に買ったものらしい。コロンビアピクチャーズは1989年にはソニーに買われたが、その前にはRCAに身売りしていたことが分かる。しかし、RCAとコロンビアといえばレコードではライバルだったはずだ。1980年代のアメリカは「何でもあり」で、実体経済は駄目なアメリカ資本主義では会社そのものが売り物になっていた。
コロンビアピクチャーズ:1982年にコカ・コーラに7億ドル弱で身売りした…多分その後、RCAに売られ、それから1989年48億ドルでソニーに買われた…1980年代のM&Aの激しさ。RCAがいくらで買ったかは知らないが、ソニーの買値48億ドルはバカ高かった、と思う。(アメリカ資本が買っていれば、高くてもせいぜい15億ドル程度だろう)
フランク・キャプラ:1897年生まれのイタリア移民。1920年代、「ちびっこギャング」のギャグライターになり、1928年コロンビアに雇われて監督をはじめ、この「或る夜の出来事」で1934年のアカデミー賞の作品賞、監督賞、主演男優賞、主演女優賞、脚本賞と主要部門を制覇、のちにこの記録は『カッコーの巣の上で』が現れるまで唯一の事例だった。この映画のヒットでそれまで弱小だったコロンビアが大きくなるきっかけとなった。
さて、この映画について:
”テンポのよい洒落た会話”はほとんど聞き取れない。あらすじは、大金持ちの横暴な父親に意に沿わない結婚を勧められ、喧嘩して飛び出す娘。マイアミからニューヨークに向かう夜行バスで新聞記者の男と出会って、最初は仲が悪いが旅をするうち恋仲になる…高慢で世間知らずの娘が世知に長けた男に惚れてしまう。
父親は娘探しの賞金に1万ドル出す、と新聞に発表。その後娘は父親の元に戻るが、男が父親に「娘さんの件でお金の話をしたい」という手紙を書いてよこしたことを知り、男が嫌いになって父親の勧める男と結婚する運びに。一方、男は父親に会って娘と旅行した時に立て替えた金数十ドルだけを請求し、1万ドルは要らないと言う。父親は男に「娘を愛してるか?」とsimple questionを。男は「Yes, I love her.」と。今度は父親が男に惚れてしまう。
父親は自分の勧めた男と娘の結婚式で娘とバージンロードを歩きながら「あの男はいい奴だ。1万ドルの賞金なんかに目もくれない」とこっそり言う。娘は誓いの言葉を言うことができずに式場から逃げ出して男の元に行く。それを微笑みながら見送る父親。
閑話休題:
①1989年は日本のバブル絶頂期だった。同年、三菱地所はロックフェラーセンターを所有するロックフェラーグループの株式51%を取得しておよそ8億4600万ドル(当時のレートで日本円にして約1200億円)で買収した。ちなみにシアトルマリナーズを任天堂が買ったのは1992年。30年後、今度は中国人が日本その他を買う。ソニーのように、高い買い物をしてるんじゃないか?
コロンビア、ロックフェラーセンター、シアトルマリナーズ…いずれも”アメリカ人の心”というか、外国人に売り渡してはいけないものだ。日本で言えば、歌舞伎座、東京タワー、相撲部屋…が中国人に買われるようなものか。
②「カッコーの巣の上で」を見たくなった。ブルーレイ、VTRコレクションをチェックしたが録画してない。YouTubeで見ることにしよう。
③フランクキャプラが「ちびっこギャング」を書いていたのは知らなかった。俺が子供のころ、日本でもTVで放送していた。面白かった。ナンセンスで。子供とはいえ、白黒が一緒にやっていた。ちびっこギャングはVTRがあるからもう一回見直してみよう。
④この映画、大金持ちの親父が若い者をちゃんと評価して応援する、という話。そういうまともな話だが、「常識にとらわれない登場人物、テンポのよい洒落た会話」でコーティングしたのが受けたんだと思う。
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