五明樓玉の輔「子別れ」を聞く

枕で「かくばかり、偽り多き世の中に このかわいさは 誠なりけり」と言う歌?が紹介される。ひねりのない、実につまらない歌だ。だけど素直に孫の顔が思い浮かぶ。

 ご隠居の葬式に行ったきり吉原に居続け三日間帰ってこない大工の熊さん。「敷居が鴨井」なので酒を引っかけて家に帰る。お上さんはご立腹。その時の熊さんの言い訳・・・「隠居の遺言で骨まで焼かなけりゃいけないんだけど、年寄の骨だから油っ気がなって燃えにくい。それを焼いていたら3日かかった」・・・無茶苦茶。不条理。面白い。

夫婦げんかになって熊さん、上さんを息子ともども叩き出す。

色々あったが3年後、元々腕の良い熊さん、すっかり反省して立派な大工に。ある日息子にばったり出会い、翌日鰻を食わすと約束する。

息子の額に傷があるのでわけを聞くと、オッカサンが世話になっているお得意の息子に殴られたんだ、と。それで文句を言えない理不尽。我慢しろ、という熊さん。

熊さんは息子に「今日会ったこと、明日鰻屋に行くことはオッカサンには秘密だぞ」と『男と男の約束』をさせるが、息子は家に帰った後、熊さんからもらった50銭玉を見つけられて誰にもらったか言わなかったが、オッカサンに「げんのう」で叩かれそうになり「男と男の約束」を破り、白状する。

翌日鰻屋に上さんもついて来て、熊さんから詫びを入れ、よりを戻すことに。

上さんと3年ぶりに再会してモジモジし、テレ隠しで訳の分からないことを言う熊さん。生意気な息子。   いい人情噺だ。

落語なら、このジェンダーとハラスメント満載で許容的な感じのする話ができるのはなぜか?逆に言えば、ジェンダー、ハラスメント満載の話やドラマを自粛するのはなぜか?だから俺は落語が好きなのか?

「理不尽、不条理、無茶苦茶を乗り越えるところにしか成長はない」と思うのは間違いか?

しかし、「子はかすがい」を地で行く話なのに、どうして「子別れ」なのか?

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