100年前と似てないか?
『私たちは、学校や職場で「仕事や労働はつらいけれど我慢して一生懸命働けばその先にいいことはある」と洗脳されてきているので、いまこの瞬間の幸福を味わう感受性がおかしくなっているのです。』などと言う山口周が理解できない。そしてもっと理解できないのは彼の言うことがそれなりに評価され、会社も経営し、北九州市のアドバイザーとして迎え入れられるということだ。
日本の歴史を振り返ると:
1900年代初めにに日本社会党が認められ、無政府主義や共産主義も紹介され、それを過激に主張した幸徳秋水が1911年大逆事件で死刑にされ、一時後退した社会主義運動が、1917年に起きたロシア革命で再び勢いづき、労働運動にも参加した無政府主義者大杉栄が1923年関東大震災のどさくさで甘粕憲兵大尉に殺された。
天皇制については1910年に社会主義者による明治天皇暗殺計画が発覚、1912年には美濃部達吉の「天皇機関説」が発表され、これに対する反動で天皇は神であり絶対君主だという考え方が出て来る。
同時に薩長出身者(軍人)による藩閥政治に対する批判も高まり、1918年初の「平民宰相」である原敬首相が誕生し(1921年暗殺)、普通選挙への要求が高まって1925年に普通選挙が始まった(同時に治安維持法も施行)。1922年には元勲と呼ばれ、明治維新をリアルタイムで知る山県(1838年生まれ)大隈(1855年生まれ)が死んだ。
1918年にはシベリア出兵で米が大量に買われ、米の価格が急騰して米騒動が起こり、また1927年には昭和金融恐慌、1929年10月のアメリカの株価急落の影響で1930年には昭和恐慌が起こった。昭和金融恐慌は第1次世界大戦で絶好調となり発生したバブルがその後の不況によって崩壊し、1923年の関東大震災に対する補償が焦げ付いて不良債権になったことが原因とされる。
1919年新婦人協会ができ、女性の参政権他の権利や自由をおおっぴらに求め始めた。
1924(大正13)年,「大阪朝日」「大阪毎日」の両紙はともに100 万部を突破し,1925年にはラジオ放送が始まる。新聞は反政府の世論を盛り上げ、政府から弾圧された。(その後、軍の言うことを聞いて大政翼賛に励み、国民を戦争に駆り立てた)ラジオ局は1926年「社団法人日本放送協会」として統合された。これは実質的には政府機関的な性格を持っていた。
さて、21世紀の日本。
山口周に象徴される「我慢しないでやめる・逃げる」は俺たち世代が「会社は永遠に会社員の面倒を見る」という神話を壊してしまった反動ではないか?マルクス主義や格差是正論も盛んだし、男女平等と言うより、性差を認めるな、という言説も出てきている。1920年代に似ている。
そして長く続く自民党政治に対する反発から民主党政権が出来たり、裏金や派閥を巡って自民党内部で遠心力が強くなりつつある。「古き良き自民党政治」を体現し(ようとし)ていた安倍晋三も2022年暗殺された。現役自民党議員にはもう古き良き自民党政治を知る者はおらず、派閥を通じて自民党を牛耳ってきた森元総理ほかのOB(元勲?)もそのコントロール力を失うことになりそうだ。
20世紀まで世論や思想に影響を与えていた新聞、TVといったマスメディアは情報操作の恐れありという懸念から、みんな個人個人の気に入ったSNS上の情報を信じるようになった。トランプやプーチン、ゼレンスキーにバイデン、一体誰が正しいことを言っているのか?いつまでアメリカの属国でいるのがいいのか?
2008年のリーマンショック、相次ぐ震災・コロナに対する補償の焦げ付き・・・次に大きな恐慌が起これば昭和金融恐慌や世界恐慌が再現する???
1920年代、大正デモクラシーとも言われる、藩閥政治、絶対天皇制、資本主義、帝国主義・・・に対する反動が噴出した。明治維新の否定とも言える。政党政治が行われたが、1930年代にはそれに対する反動が出てテロによって言論の自由は奪われ、軍による独裁が始まった・・・。1920年代、政党が政争を繰り返して国民が絶望し、軍に一縷の望みをかけたんだが・・・博打に負けた。今にして思えば、そもそも明治維新くらいで先行する国々に追い付け追い越せ、なんて無理だったのだ。
最後に100年前の株価との比較。
1921年春 100(指数)だった株価が1921年末120まで上がり、
1923年1月には95に落ちてから反発。1923年末に110まで再上昇。
1924年秋まで95まで下げてから上昇して1927年2月には135に。
1927年3月に起こった昭和金融恐慌で4月には110に急落それから1928年秋まで小康を保ち
1930年末に50まで下げ続け、1931年以降上げ続けた
2020年4月にコロナで17646円まで下げた日経平均は2021年2月に30000円を超えた。
以降下げて2023年1月最安値25661年をつけてから反発、
2023年7月に最高値33000円を超える。
2023年10月まで下げて30487円に。
2023年11月から上げて2024年1月、一時37000円に迫る。
もし、100年前が再現されるなら、2024年秋には日経平均が30000円を切り、それから2027年初まで上がって40000円?になり、それから3年間下げ続けて20000円を切る・・・2027年年初時点で「もう年だから降りよう」と思えば、持ってる株全部売るか?
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