スペインにFresh Soundというレコード会社があった

1990年代、 スペインのFresh Soundというレコード会社がアメリカの1950年代のモダンジャズのアナログレコードを盛んに復刻していた・・・無節操で網羅的と言うか、作品の出来の良し悪しの判断はせずに片っ端から順番に・・・という感じでそれはそれで潔いと感じたし、俺のようなジャズレコードコレクターには有難かった。

元々アメリカではジャズレコードなんて大事にされておらず昔のレコードを復刻するなんてことは考えられなかった。それに代わって1960年代から1980年代にかけて日本のレコード会社がジャズのレコードのいいものを選んで復刻をしていた。1990年以降日本ではレコードが廃れ、バブルが崩壊してレコード会社も元気がなくなって日本ではジャズレコードなんて誰も出そうとしなくなった。

俺の記憶では、当時は著作権は25年とか言われていて、1990年代に入るとFresh Soundはその著作権が切れたレコードをガンガン復刻・再発していたのではないか?

日本の復刻盤では出されなかった(あるいは巡り合えなかった/巡り合えても金がなくって買えなかった)レコードがFresh Soundで復刻されたのでありがたく、俺も何十枚か買ったように思う。

このFresh Soundのレコードを六本木にあったWAVEというレコード屋で買ったものだ。WAVEをWikiってみると、”1983年六本木に「六本木WAVE」が開店した際は、ビル1棟がまるごと様々な文化を発信する拠点となり、文化人音楽家などから高い支持を得た。”とある。俺が六本木Waveに出入りしたのは1990年以降だ。

WAVEがどう生まれ、今どうなったかと言うと

  • 1977年3月 - 株式会社ディスクポート西武設立。
  • 1989年3月 - 株式会社ウェィヴに商号変更。
  • 1990年3月 - 株式会社ピサが、株式会社ウェイヴを吸収合併
  • 1993年1月 - 株式会社ウェィヴ(2代目)設立。
  • 1995年9月 - 株式会社ピサが、ウェィヴ事業を株式会社ウェィヴに営業譲渡。
  • 2006年
    • 2月 - 株式会社ノジマに買収され、その傘下に入る。
    • 5月 - 株式会社WAVEに商号変更。
  • 2008年10月 - メディアマーケテイングシステム株式会社に買収され、その傘下に入る。
  • 2011年
    • 6月28日 - 債務整理を開始。4店舗を残して閉店。
    • 7月31日 - 大宮店が閉店し、国内全店舗が営業終了。
    • 8月6日 - 自己破産申請の準備に入り、事実上の倒産。負債総額は約24億5000万円[2]
    • 11月9日 - 破産手続開始決定。
  • 2012年5月14日 - 費用不足のため破産廃止、法人は完全消滅。

という顛末だ。セゾングループの子会社として発足し、1980年代のセゾングループの隆盛とともに成長し、バブル崩壊、セゾンのオーナーだった堤清二の没落とともに様々な会社に身売りされて・・・。レコード、CD、ビデオなんてものを売るという業態そのものもあっという間にオワコンになったという事情もある。

閑話休題:
セゾングループの堤清二というと、異母兄弟の堤義明が率いた西武グループを思い出さない訳には行かない。この二人は昭和という時代を象徴するような兄弟ではあった。Wikipediaによれば、
清二は西武創業者の堤康次郎の妾の子。義明は康次郎と内縁関係にあった女性との間にできた子。清二は西武デパート、西友、無印良品、ファミマを創業、バブル期にはインターコンチネンタルホテルを買い、パルコを作った。新しい、おしゃれな感覚で1980年代の日本の文化形成に一役買った・・・上述のWAVEなどもその一環だろう。店に入るとしゃれた感じがした。
片や義明は西武鉄道、プリンスホテル(ホテルに近接したゴルフ場、スキー場)、西武ライオンズなどのオーナーでバブル絶頂期には世界一の資産家とも言われたが、2000年以降は不祥事が頻発し、オーナーの地位から引きずり降ろされた。(まだ死んだと言う情報はない。今どうしているのか興味はある。この点、読売のナベツネと同じ)
清二は金にあくせくしない文化系。義明は金儲けに命をかける体育会系。一時代を作った。二人とも親父に似て女性問題も色々あったようだ。
今ではチマチマしたオーナーしか生き残れない。コンプラだハラスメントだ、PCだ、ジェンダーだ・・・
生き残った会社もチマチマと分割の憂き目に。ハイエナ/ハゲタカのようなファンド・金持ちが小分けに分解して透明性の高い経営をおやりになる・・・古き良き昭和が懐かしい・・・

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