遺言その1

 従兄弟(俺より2か月遅く生まれた)が死に、その葬式に出て来た。

感じることがあったので死に方、葬式について遺言の形で書き残す。遺言はこれから何回も加筆修正するだろう。

1.PPK(ピンピンコロリ)が理想だ

まず、PPKについての俺の定義:

原因のいかん(事故か、他人から受けた暴力か、病気、怪我なのか・・・)を問わず、自分で自分の生命を維持できなくなってから48時間以内に死ぬことをPPKと言う。

この死に方が俺の理想だ。自殺する気はないが、かといって積極的にこれ以上長生きしたいとも思わないから延命は拒否する。俺がどういう状態になったら「もう殺してくれ」というか、上さんは大体わかっているはずだ。そうなったら法律の許す範囲内で俺を早く死ぬようにしむけて(=殺して)もらいたい。

俺に言わせれば、PPKとは「俺は死ぬとき、あんまり人を煩わさなかったぞ」という見栄だ。最後の見栄を張らして欲しい。

2.葬式について

葬式など無用な儀式だ。生きている人を煩わしたくないからできれば葬式などはして欲しくない。世間体だかおつきあいだかでどうしても葬式をやらざるを得ないなら、なるべく簡易で安価なものにして欲しい。

俺は魂も死後の世界も信じないから死体がどう扱われようと構わない。つまり、死んだら「ハイ、おしまい」だ。骨もそこらに撒き散らかそうが骨壺に入れたままどこかに放置してもよい。もちろん、墓も無用だ。この点もみなさんがそう考えず、墓に収めたいならそれも結構・・・要は俺には死んだ後の自分に興味がない。どうでもよい。

3.仮に/多分 葬式を行う場合

①遺影

そのうち、「これを遺影にしてくれ」と写真を指定するかも知れない。それをする前に死んだら、明るく笑っている写真を遺影にするのはやめて欲しい。棺桶に納まった俺の死に顔は土気色で痩せこけている可能性が高い。そんな死に顔とやけに明るい遺影ではマッチしない。死に顔に合わせて暗い顔つきが良い。(今日の従兄弟の遺影は”破顔一笑”だったが、俺は棺桶の死に顔と引き比べて大きな違和感を覚えた)

②弔辞、喪主の挨拶

できれば、省略して欲しい。もしやるなら、けなして欲しい。あんまり褒めたたえたり、持ち上げるのはやめてくれ。嘘は駄目。俺なんてほめるところなんてない。お手本は今日の従兄弟の嫁さんの挨拶だ。以下に趣旨を:

「若い時は父親としても夫としてもダメな人でした。100点満点で15点くらい。でも病気になってからは優しくなって『ありがとう』も言えるようになりました。最後に病室で二人で過ごす時間が持てて幸せでした。『お前と一緒になってよかった』と言ってくれて嬉しかった」

閑話休題:

PPKの夢を無残に叩き潰すのが癌だ。静岡がんセンターという結構有名ながん専門の病院があるが、従兄弟の癌は、そこで何回調べても発見されない「質の悪い」ものだった。癌にしては短い闘病期間だったかもしれないが、数か月間は苦しんだ。本人はもちろん、嫁さん他の家族も数か月間は苦しんだ。

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