リクルート商法

 「日本流「リスキリング」浸透しないわけ 新たな能力求めた先の議論を」 という見出しで朝日新聞デジタルに勅使河原麻衣という人が記事を書いている。この人のプロフィールなるものが:

勅使川原 真衣(てしがわら・まい) おのみず株式会社 代表取締役社長

てしがわら・まい 1982年、横浜市生まれ。慶応大学環境情報学部卒業、東京大学大学院教育学研究科修士課程修了。BCG(ボストン コンサルティング グループ)などの外資コンサルティングファーム勤務を経て独立。2017年、おのみず株式会社(https://hitomiru.jp/別ウインドウで開きます)を設立し、代表に就任。企業や病院、学校などを対象に、組織開発を支援する。2児の母。2020年から乳がん闘病中。22年12月、「能力」とは何か、商業化する能力主義、自己責任社会を教育社会学と組織開発の視点でとらえた『「能力」の生きづらさをほぐす』(どく社)を出版

まず、この手のコンサルが信じられない。だって現場経験がないんだもの。コンサルになる前にコンサルの客になるような会社に勤めていた経験がないと。。。

この記事では日本では「リスキリング」が社員の行う能力開発なのか、会社が生き残るために社員にやらせるものなのか?定義が不明確・・・などと論を進める・・・1990年代、日本の会社ではSAPに代表されるコンピュータを使った基幹システムERP(Enterprise Resource Planning)を導入するのが大流行した。驚きかつ感心したのは、2000年代に入ると「ERP導入に失敗するのは、他社がやるからという理由でERPを導入したからだ。もう一回『何故ERPを導入するの?』という目的を明確にして再導入すべき」という宣伝をするコンサルがいたことだ。マッチポンプ商法。これぞリクルート商法。

勅使河原お姉さんの言うことも全く同じ。「流行っているからってリスキリングをやったって失敗しますよ」だ。これが永遠に続くからコンサルはくいっぱぐれがない。

新たな課題を見つけ、それに対応しないとまずいよ、と脅し、それに対応してもそれじゃあ失敗だ、こういう風にやり直さなければ・・・とアドバイスし・・・だ。それが一巡すればまた新しい課題を流行らせて・・・永年に続くループ。

勅使河原姉さんはリスキリングについて、「成果」、その「評価」が語られないのが問題、とも言っている。これもコンサルの新しいネタだ。彼女はコンサルのお手本だ。素晴らしい。なんたってコンサル業務の成果は評価されにくい。自分のやった仕事の成果は評価されないようにしておいて客には自分のやったことの成果を評価しろって言うところが憎い…ふざけんな。正しくブルシット。

こんな連中にいつまで金をつぎ込むんだろうか?

閑話休題:

リクルート商法の最大の欠陥は、「何故会社は存続しなくちゃならないの?」という問いに対する答えがない事だろう。「会社なんてオワコンだから、早く潰しちゃえ」なんて言わない。そうなったら大事なお客さんがいなくなっちゃう。勅使河原姉さん自身は既存の会社を信じないで自分で会社を作っている。

この記事では「人材不足やAI化に伴い消失するかもしれない労働をDX化で求められるスキルを持った人材に移し替えていこうという、労働移動に向けた取り組みを前提とする。」と言う。「どうしてDX化で求められるスキルを持った人材に移し替える必要があるのか?」言い方を変えれば「DXになじまない人はDXなんて関係ないエッセンシャルワーカーにでもなればいいいじゃん」とは言わないのか?これも労働移動だろう。コロナ以来「エッセンシャルワーカーのなり手がいない、給料が安い」と大きな問題になっているが・・・「労働移動できない会社は潰れればいい」って言ったら客を失うけど。

もっと言えばリスキリングやDX以前に「日本で会社ってどんなことをすべきなのか?」を語って欲しい。リスキリングの定義ではなく「何を生み出し、それをどうやって売るのか?」という言わば『会社の定義』を明確にして欲しい。リスキリングなんて小手先でなく「日本の会社って何をすべきなの?日本において会社なるものの存在意義は?」について語ってもらいたい。

日本では」大企業を含め、多くの会社がオワコンになってしまっているけど潰せないから無理矢理生き残ってるだけじゃあないか?ここの大掃除の方がよっぽど大事だ。まあ、無理やり生き残ってる会社が一日でも寿命を延ばそうとしてンサルに相談してるんだけど。

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