2023年春の国家公務員総合職試験の合格者

以下の日経記事を読んだ感想:

別に「東大生が優秀だ」と言うつもりはないが、役人の人気がますます下落していることは事実らしい。東大生に人気のある楽天もアクセンチュアも就職先として結構だが、日本全体をよくするため、優秀な人材は役人・政治家になるべきだ。何回も書いたが、1930年代に515事件、226事件が起こった。一連のテロを起こしたのは1920年代に陸海軍に入った青年将校だった。彼らのある意味純粋な昭和維新の野望は潰されたが軍の上層部はテロを「軍の言う事を聞かないと殺されるぞ」という脅しに利用し、日本を占領してしまった。

1920年代*は軍人は人気がなくなったというより馬鹿にされる職業で、軍人のなり手が不足し、なろうという若者の応募も減った。つまり、優秀な若者からそっぽを向かれた。今の国家公務員と全く同じだ。俺は、515や226事件は1920年代に優秀な若者が軍に入っていれば、起こらなかった、と考える。つまり、テロに頼らない日本の変革を考え、試みただろう、と思う。このまま役人人気が低迷し優秀な人材が入らないとテロとは言わないが、役人が将来に禍根を残すような悪いことをしでかす、ということが危惧される。

また、今の国会の様子が1920~30年代の国会と似ているのが気になる。国会議員の先生たちは国民のことをお考えになっているとは思えない。見るも無残なガキのケンカ、足の引っ張り合いを繰り返している。これに絶望して荒っぽい変革が企てられてもおかしくない。(NHK党、れいわ新選組などという訳の分らぬ下品な政党がそれなりに得票するのも既存の政党、特に立憲民主党の民主主義破壊行動**に対する絶望から来ているが、絶望は一歩間違えるとテロ是認になる)

*1918年、ロシア革命をひっくり返そうと、各国がロシアに出兵したが、日本軍は1922年まで撤兵せず、結局無駄な戦費を使った上、国際的に警戒された。この戦果のないシベリア出兵は国内でも、海外派兵や戦争に対する警戒感、疑問を生んだ。1921年からはワシントン軍縮条約交渉が始まったが、これはそれまでの軍拡と真逆の動きで、軍人の採用は減り、軍人になろうとする若者も減った。親たちも軍人という職業を馬鹿にし、避けるようになった。(陸海軍とも採用が増加に転じたのは1930年代に入ってからだった。)加えて1920年までに明治維新の元勲がほとんど死に絶え、世間知らず、夜郎自大の「二代目政治家・軍人」が表舞台に出て来た。最近の日本の歴代首相を見ると、森・小泉以降、日本が戦争に負けアメリカに占領されて何をされ、何が起こったかを身を持って体験していない世間知らずな世代に移ってすでに10年以上たっている。

**与党が気に入らなければ選挙で与党に勝つことだ。勝ったら次に負けるまでの期間、自分たちのやりたい政治をやることだ。それが民主主義だ。立憲民主党は選挙で勝つことを諦めている。与党の揚げ足取りしかしようとしない立憲民主党はますます人気をなくし、ますます選挙で勝てなくなる。悪循環だ。政権交代が起こらないようにする立憲民主党は民主主義を破壊している。

以下の記事では役人人気回復のために「役人の働き方改革」みたいなことが言われているが、そんなことでは全く不足だ。働き方改革など無視して、24時間身を粉にして働くような人間を役人にしたい。もちろん、役人には、天下りの復活などして生涯経済的に恵まれた生活ができることが保障されるべきだ。他の就職先とは違うのだ。というか、国家国民のための仕事をするところを”就職先”と捉えることが間違っている。必要なこと:

①マスコミ・メディアが役人(ついでに政治家)の応援・宣伝をすること

②若者には1,2年間、情報/エネルギー/食料/安全のセキュリティーに関わる仕事につかせ、その仕事ぶりを観察して役人としての能力・資質を判別し、出来のよい若者には職業選択の自由を与えず、強制的に役人にする。その代りそういう若者には一生の安心・安全を保障する。楽天やアクセンチュアとは違い、国家・国民のことを24時間考え働くという、重要でやりがいのある仕事に何年間か身を捧げる人間を見つけ出し、役人にする、ということだ。(政治家も同様の選抜ができないか?選挙以外の方法で選ばれる人もいてよくないか?それとも、いったん役人にして政治家向き、となったら立候補させるか?)

国家・国民を大事にするなら露骨かつ強制的に人材を確保してもよい。(逆に言えば日本という国は個人の自由最優先で国家を弱くし、国民をないがしろにしてきた。その結果、気の利いた者は日本国家・国民を見捨てるようになった、ということ)アメリカのように、様々な会社で実績を上げた者に一定期間政府の仕事をさせる、というのも次善の策か。ちょっと露骨すぎるが・・・

なお、参考まで、2022年春の国家公務員総合職試験の合格者は1873人で倍率8.2倍だった。

以下、日本経済新聞Web版 6月8日付け記事

 人事院は8日、2023年度春に実施した国家公務員総合職試験の合格者を発表した。合格者数は2027人で倍率は7.1倍だった。大学別にみると東大出身は193人で過去最も少なかった。この10年で半分以下となり初めて200人を割った。

総合職は中央省庁の幹部候補生で「キャリア官僚」と呼ばれる。試験に合格した人は12日から官庁訪問を始める。6月下旬から内々定が出始め24年春に正式採用となる。

総合職試験の倍率は22年度春の8.2倍に比べて低下した。女性の合格者は683人で、22年春から110人増え過去最多となった。

理工系の合格者は増えた。22年度比で140人ほど多い。霞が関でもデジタル人材への採用意欲が高まっている。

出身大別では京大(118人)、北大(97人)が東大に続いた。海外の大学5校から6人が合格した。東大出身者は15年度の春試験では合格者の26%を占めていた。23年度でその比率は9.5%に下がった。

合格者数も10年前の時点では438人だった。総合職試験の申込者数の減少幅は10年で3割ほどで、東大出身者のほうが減り方が大きい。

中央省庁が就職先として敬遠される傾向が続く。長時間労働やサービス残業の多さから霞が関には「ブラック職場」との呼び名も定着した。

人事院は21年度に学生を対象に意識調査を実施した。国家公務員を選ばなかった理由では76%が「採用試験の勉強や準備が大変」をあげた。55%の人が「超過勤務や深夜・早朝に及ぶ勤務が多そう」と答えた。

人事院は23年度春試験からは例年より時期を2週間程度早めた。民間企業の就職活動と並行して試験を受験しやすくした。

できる限り志望者を増やそうと考えたものの、総合職試験の申込者数は1万4372人と過去2番目に少ない水準となった。民間企業に人材が流れた可能性がある。

東京大学新聞社がまとめた22年3月卒業・修了生の就職先一覧によると、学部卒業生の就職先でもっとも多かったのは楽天グループの25人だった。大学院修了生だとコンサルティング大手のアクセンチュアの44人となった。

東大出身者の減少傾向について人事院は「人材の多様化が進んだ結果だ」と話す。「これまで多くを輩出してきた国立大の合格者減少は、学生全体で公務員離れが進んでいるとも分析できる」とも指摘する。

早大の稲継裕昭教授は「この流れは予想されていたものの、なかなか改善されない公務員の働き方や権威の低下などが流れに一段と拍車をかけた」とみる。

稲継氏は「改革に取り組まないと若き有能な人材が来なくなる。国家の競争力を保つためにも政府全体で解決が必要だ」と続けた。

私立大の中には合格者を増やした所もある。私大出身者が合格者に占める比率は10年前と比較して4.2ポイント増え、今回は31.3%だった。

例えば立命館大学は公務員試験に特化した就活対策を設けている。1993年から「公務員講座」を開いてきた。

学部3年生以上を対象とした試験対策のほか、2013年からは1〜2年生向けに国家公務員の魅力などが学べるプログラムを開講した。

同大出身の総合職試験の合格者数は今年度78人だった。10年でおよそ3倍に増えた。同大の担当者は「学生が希望する進路を実現できるよう支援していきたい」と強調する。

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