ブラマヨ弾話室 #225 ②最近の若者と会社

 番組出演者(”文化人ズ”)によると、最近の若者・学生は人口問題、天候問題、食料問題、貧困問題・・・など様々な問題を解決したいと、そういう問題に取り組む会社に就職する者がいる、とか。俺が就活した1970年代も、公害や省エネなどが解決すべき問題として取り上げられていたが、それは就職先選択においてそれほど大きな要因ではなかったように思う。俺も入社してすぐわかったが、会社というところは入社前に聞かされるようなきれいごとでは回っていない(というか、きれいごとなんてまじめに語られるのを聞いたこともない)。古今を問わず学生・若者は会社の言う”きれいごと”に騙されやすい、と言うことか。俺たちの世代は騙されても「やっぱりそうか」とは思うがめったに失望したりはしなかった。適応する者が多かった。(過剰適応だったかもしれない)当時はまだ、会社の生み出す悪(マイナス)より善(プラス)の方が大きいと信じられていたからか?ただし俺も2000年前後、会社が終身雇用を捨てるのを見て「騙された!チクショー」と思ったが。。。(時すでに遅しで、転職もままならなかった)

それでもまだ、今の日本の多くの会社の雇用は終身雇用を前提としたものから変わっていない。つまり、新入社員はその会社或いはその部署にカスタマイズされた社員・スペシャリストになるべく育成される。マニュアル化できるような「底の浅い」仕事は非正規社員或いは一般職社員にやらせればよいから総合職社員はマニュアル化できない仕事、例えば業務管理、人事管理、トラブル対策、企画や他部署・他社との調整・交渉など、いわゆる管理職の仕事をする。(入社後何年かは非正規社員がするような仕事を体験させられることも多いだろう)・・・ただし、「底の浅い」仕事のマニュアル化がうまく行っているとも思えない。

2000年以降、終身雇用を捨てた日本の会社は悪(マイナス)の方が善(プラス)より大きいかもしれないと疑われる存在になった。就職して失望・落胆した若者はだから、すぐ退職し、悪(マイナス)より善(プラス)の方が大きそうな会社に転職する、ということか?転職が増えることそのものは悪いとは言わない。問題は多くの会社、そして日本の雇用市場が転職を前提とした設計になっていないこと、そして多くの若者も「皆が就職するからとりあえず」就職することだ。転職される側(会社)にとっては社員に急に退職されても短期間でカスタマイズされえた代替社員を用意できないので効率が落ちる。転職する個人にとっても転職先が行うカスタマイズに合うかどうか、また転職先の悪(マイナス)が善(プラス)より小さいか事前に分からないリスクがある。一部の例外を除いて、転職は効率を落とし、リスクを大きくしているのではないか?

もっと大きな問題は、疑わしい存在となった「会社」・「雇用」といったものを良くしよう、変えようと真剣に考える人がいないのではないか?ということ。日本において「会社」とか「雇用」などは二の次、三の次のものになり、それほど重要なものではなくなってしまったのか???かといってそれでは会社に代わる「善きもの」が登場したようには思えない。会社と転職する者の不毛で効率の悪い関係はいつまで続くのか?

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