三菱電機、頑張れ!

2020年10月21日付けの読売新聞によると: 

品質不正が続く三菱電機は、10月20日、弁護士などから構成される外部委員会による最終報告書を公開した。曰く、①社長会長を歴任した柵山氏が課長時代に性能試験で実際の測定値でない値を顧客に報告していた②規格値を満たしていないのに満たしていたと虚偽の報告をしていた、③認証機関の監査をクリアするために不正をしていた...etc。今回の追加調査だけで実に70件の不正が発覚。報告書によると、一連の不正に共通していたのは「品質に実質的に問題がなければよい」という誤った認識だ。

これは報告書に書いてあったことか記者の見解か分らぬが、「不正発覚の端緒となった長崎製作所では、鉄道車両用の空調設備の検査不正が30年以上続いていた」由。記事の最後は企業文化にお詳しい多摩大学の徳岡晃一郎教授の「外界と遮断されて、自社の在り方しか知らないという典型例だ」、「一人ひとりが何のために規律を守るのかを認識し、経営陣に新しい考え方を入れなければ文化は変わらない」という立派なご意見・ご高説で締めくくり。

この記事を見て「¥1350で買った三菱電機株がいくら下がった?」と、株価を調べたらなんと!10月20日終値¥1389⇒10月21日初値で¥1379に下げた後、午前中の終値¥1414。かみさん曰く「検査不正は織り込み済みじゃないの?」

こういう時には必ずYahooファイナンスの掲示板を見る。やはり読売新聞派の「検査不正=品質に問題」という書き込みと、俺みたいな「不正があったって何の問題も起こしてないんだからいいじゃん」派の書き込み。しかし、これだけ長年たくさん検査不正してきて内部告発(としか考えられない)以外では問題にならず、発覚していないという事実は三菱電気の品質管理技術のレベルの高さを物語る。徳岡教授のご高説の通り、「規律を守るのは一体何のためか?」を考えなくてはならないが、これ、日本人が一番苦手な作業。「規律を守るために規律を守る」のは日本人大得意。三菱電機という会社はこの、日本人が不得意な「品質管理って何のためにやるの?」を自分の頭で考える力を持ち、立派な品質管理技術を編み出した。この優れた技術を維持して欲しい。そして「何のために??」を問い続け、外部の弁護士や学校の先生には及びもつかない”顧客と製造現場だけの遮断された世界”における哲学を守って欲しい。この哲学をよく理解し、実践した人が経営者になるという伝統も是非守り続けて欲しい。

かみさん曰く「そんな意味のない規格値ならもっとゆるくすればいいじゃん。でもそうすると、三菱電機はその規格値の下をくぐってくるかな???」

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