市川中車を見る

 BS松竹 土曜ゴールデンシアター という番組で6月18日 歌舞伎「刺青奇遇(いれずみちょうはん)」を放送。これを録画してあったのを見たが、市川中車と中村七之助が夫婦役。市川中車とは”あの”香川照之の歌舞伎俳優としての名前。

話は:七之助演じる女が川に身を投げて自殺しようとしたのを中車演じる博打打ちが助け、それが縁で二人は夫婦になったが、男は博打をやめず、家は窮乏。女は病気にかかって余命いくばくもなくなる。死を悟った女は男の腕にサイコロの「三の目」の絵柄を刺青し、「私が死んだらこのサイコロの刺青を見て私が博打をやめるように言っていたことを思い出して」と。男の方は女が死ぬ前に1回立派な家に住まわせたいと賭博の胴元と自分の命をかけた大博打をやり、見事勝って大金を手に入れる…

中車も七之助も熱演、好演。話の筋として面白いのは「金を恵まれるのは嫌だ」という男の意気地を知って胴元が、博打に負けるという形で金を恵もうとしたところ。こういう粋な筋書きは好き。(松たか子のお兄ちゃん、松本幸四郎が胴元を演じたが、これもよかった)

さて、中車の歌舞伎を見るのは初。「あの事件」があったので中車の演技、セリフ回しなど注目したが、博打打ちらしく、そして男のフェロモンあふれる演技。ホステスに対し「男らしさ」をああいう形で表出するのも想像できる。女を助けた後、濡れた体を拭くために裸になるシーンがあるが、中車はいい体してる。(筋トレしてる?)

話の後半、いい体が禍する。サイコロの絵柄を二の腕に刺青されるので二の腕に目が行くのだが、二の腕がたくまし過ぎる。博打打ちを演じる歌舞伎役者の二の腕にしては筋肉付きすぎ。もう少し持ち崩した感じ、遊んでやつれた感じが欲しい。それから肘から下は日焼けして黒く、肘から上は日焼けしてなくて白いのも艶消し。博打打ちであり歌舞伎役者は日焼けしてはならない。つまり力仕事などしてなさそうな細くて生っ白い腕でないと…

日焼けに関しては相撲取りの日焼けも艶消しだった。日焼けした体は日本の伝統には似合わない。


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