BSよしもと昔の番組の再放送結構面白い
今年の4月開局したBSよしもとで40年以上前の吉本新喜劇と花王名人劇場を再放送しているが、時々おもしろいのにぶつかる。
1981年オンエアーと思しき花王名人劇場で立川談志、月亭八方、春風亭小朝その他で「落語トーク&TALK」というのをやっているのを見た。「でっち定吉」と称する落語好きのライターなる人が同じ番組を見てブログでその感想を述べているが、談志師匠だけが面白かった。定吉さんいわく「談志がすごいなと思うのは、実に普遍性に満ちていること。時代が変わってもなんら古びない。」のだそうだ。
俺が面白かったところを説明するには長々と談志師匠の語りを引用するしかないが、一言で言えば国会で与野党が「ごっこ」してるのを活写したこと。こんなこと言った芸人はいなかったと思う。(芸人でなくても何人いたか?)以下、談志師匠の語りの紹介:
当時よくアメリカの原子力潜水艦が日本に寄って、核ミサイルを積んでいるかいないか、が問題になったが…それをネタに野党のおじさんが偉そうに「核ミサイルを積んでいないとどうやって証明するんだ」と迫り、防衛庁長官*が「アメリカが積んでない、と言ってるから信じましょ」などとおちょくった答弁をして…野党のおじさんが非核三原則など建前論を振りかざして怒り出すと、しまいに防衛庁長官がキレて野党のおじさんに「おまえ、そんなこと言ってアメリカが本気で起こったらどうすんだよ」と言うと、野党のおじさんが「スミマセン、ついつい支援者の手前格好つけちゃって…」と本音トークになっちゃう。談志師匠の元国会議員という経歴と相まって笑えた。普遍性というのか、日本の民主主義ごっこ相変わらずという感じ。ここは40年たっても1ミリも変わらない。その馬鹿馬鹿しさに笑う。その後、野党第一党だった社会党が間違って政権与党になり首相を出した途端、その村山首相が「自衛隊は合憲」と言ったのは談志師匠より面白かった。ジョークきついぜ。今度は是非共産党に政権を取らせたい。そして「自衛隊は合憲」と言わせたい。そうすれば「ごっこ」遊びも完結。日本も素晴らしい憲法と素晴らしい憲法解釈の国になり果てる。世界中の笑いものだ。
談志師匠以外の演者は当時は結構な人気者だったはずだが、2022年時点では全く面白くない。その場限り、その時限り。客は笑っていた…何が面白かったのか???
談志師匠が面白いのは芸か?芸ではないと思う。談志師匠の芸は俺は評価しない。捨て身の”論”というか”談”を評価する。それが普遍的と言うか、今でも正しいので「そうなんだよなあ、世の中全然変わらねえなあ」と笑ってしまうということ?強いて談志師匠に芸があるとすれば捨て身の痛快さとその捨てる角度のユニークさかな?
*当時は防衛省ではなく、防衛庁だった。防衛省はアメリカ様が平和憲法に配慮され、1950年に「警察予備隊」(女子高校生売春を援助交際と言い換えるのと五十歩百歩)としてスタートし、その後長年、防衛庁と称していた。2007年に今は亡き安倍さんが首相だった時、防衛省になった。
閑話休題>>>>
昔の吉本新喜劇もパワハラセクハラ満載でそっちが不快で気を取られる。時代が変わるとダメな芸が多い。(普遍性がない)よくあんな芸に客は笑ったものだ。それでも平参平、花紀京、山田スミ子には「芸」を感じる…ワンパターンでこうやる、と分かっていて笑わせる。最近の吉本新喜劇には俺も笑う。山田花子、Mr.オクレ…彼らもこれしかない、というお決まりの芸で何回も面白い。40年後に見たら全く笑えない芸なのか????
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