ためにする議論(ごっこの議論)
元防衛省官僚が自衛隊の有すべき武力について「攻め込まれても何も抵抗できないのは都合が悪いので、『日本を攻めたら大変な抵抗を受けるから攻めるのはやめておこう』と思わせる程度の最低限の武力は必要。一方で日本の武力が強くなりすぎると、相手も武力を増強し武力増強のエスカレーションにつながったり、先制攻撃を誘発したりする。馬鹿にされない程度、かつ、過度に脅威に思われない程度というバランスの取れた武力が必要」という発言。これしか言いようがないのだろう、と同情する。
仮想敵国(の攻撃力)も変化するが、在日米軍の武力及び在日米軍が日本を守ってくれるモチベーションも変化する。最悪の場合を想定すれば核武装が必要という結論が出せるだろう。(そもそも日本にはこの手の想定の根拠となる情報を集めるintelligenceはない)日本が攻められるなんてことないよ、と脳天気に想定すれば実質非武装でよい。つまり、上述の防衛官僚の議論は何も言っていないのと同じだ。民主主義ってのは面倒くさい。
敵国、米国…様々な想定の仕方によって上述の「抵抗」に必要な武力は可変…自衛隊絶対違憲論に疲れた防衛官僚が自衛隊の存在する理由及び武力を増強する口実を獲得するために編み出した屁理屈。正々堂々と「自衛隊は違憲だから合憲とすべく改憲するか、もし改憲しないなら自衛隊は廃止すべき」と言えないのかなあ、と、もどかしい…この点、原発安全神話と全く同じ。原発絶対反対主義者を押し切って原発を設置するには絶対安全を言い張るしかなかった。日本の戦後民主主義の馬鹿馬鹿しさ。原発に限らず事故を起こさない機械、装置なんてあり得ない。この当たり前のことを前提できない馬鹿馬鹿ばかしさ。防衛論も、外交努力も何も無視して他国を侵略する国がある、という前提を置けない。(そういう国があることを前提に、「それでも日本は非武装で行く」という、理想論と言えば理想論、潔いといえば潔い屁理屈を展開するのは結構だと思う)
頻発する銃による無差別殺人、それにもかかわらず「自由」を錦の御旗に、「銃を持った悪をやっつけるのは銃を持った善」と、銃を規制できないアメリカ。「悪」と決めつけた国を”自由”に攻撃できるアメリカ。それを規制できない国連。そんなアメリカに守っていただくのをやめられない日本のごっこ防衛。
俺はこの際、一旦、「ごっこ」をやめ、アメリカの属国から卒業して日本の防衛をゼロから考え直すべきだと思う。つまり、核武装と非武装中立という両極端の中間に存在する選択肢の中からどれを選ぶか、議論し決めるということ。これが民主主義。しかし、これはできない相談だ、と絶望的になる。日本で民主主義なんて成立しないと思う理由以下:
どうやって生きるのか、どう考え・行動するのか?について自分以外のものが準備してくれると信じている人種と自分自身の自由意志で決めるものだと信じてる人種がいるように思う。
日本人、中国人、ロシア人は前者
WASPは後者の典型だろう。 もちろん例外はあるが。
WASPの編み出した民主主義、市場主義、グローバリゼイション… にうわべだけ乗っかって真似して一時はNo.1と呼ばれた日本。 骨抜きして自家薬籠中のものにして本家を抜いてしまったように見える中国。 うまくいかなかったロシア。 日本は民主主義、法治主義… アメリカと「価値観を共有」してるなどと言うが、嘘だと思う。 日本人の民主主義、法治主義… は「ごっこ」。 戦争でやっつけられたアメリカのものを押し付けられ、うわべだけ真似してるだけ。
日本人にとって一番信じやすいのは長い間続いたもの。 天皇家… 万世一系なんてものを信用し、大切にするという心理は日本人特有ではないか??? 既成事実に弱いし、祖先は神様。 何百年も生きている巨樹も神様。 ただ古い、長い間続いているというだけで「神」となる。 こういった「神」が、どうやって生きるべきなのか、考え・行動するべきなのか? を自分に代わって考えてくれ、教えてくれる…負けそうになったら神風が吹く。中国やロシアが権威主義国家になるのは国のかじ取りについて自分できめることを回避し、偉い人(権威=神様に近い人)に決めてもらいたいから。 情けないことに「民主主義」「市場主義」の神様は日本にいない。 アメリカにいる。アメリカ様の他、「世間」や「みんな」が神様。そろそろアメリカなんていう誕生して年月の短いものを神様と崇めるのはやめたらどうか???
WASPは自分の頭で考えて成功者になるべく努力するが、これは現世で競争し、勝って成功すると、神様に認められて天国に行く確率が高くなるから。 自分の頭で考え・競争する=自由。 自由競争の結果、勝つ人と負ける人が出る。 勝つ人目線が共和党。 自由第一。 その結果負ける奴がいるなんてことは考えない…負ける奴のことを考えるのは「共産主義」。 勝ってなんぼ。 他方、敗者目線が民主党。 敗者を救うために平等第一。 (結果平等)トランプはいいところに目を付けた。 市場主義やグローバリゼーションで敗者になり、見捨てられていた白人に目をつけたので熱烈に支持された。 (「グローバリゼーションで一番潤った中国と手を切り、グローバリゼーションをやめて鎖国しようぜ」と。 )そのうえ、長年黒人から支持されてきた民主党から黒人が離れた(Bkackout)した、という指摘もある。トランプが前々回の選挙で当選したのは黒人のために何もしてくれない民主党に嫌気した黒人が大統領選で棄権したからだ、と。*
「赤信号みんなで渡れば怖くない」がなぜ笑えるのか?
『怖くない』とは:車にはねられない(=車にはねられるリスクがない)という意味ではない。何が怖いかというと、みんなと違う行動を取ること。例え車にはねられてもみんなと同じことをしている方がリスクが少ないということ。「車が来るかもしれないよ」という赤信号の教えてくれるリスクよりみんなと同じことをしないリスクの方が大きい日本人心理。その馬鹿さ加減を自虐的に笑う。自分の頭で考えるより「みんな」の言うことすることしか気にせず、「今までこうだった」を変えられない日本人。こんな日本人に原発論議や防衛論議ができようか???
*民主党の敗者救済政策は「父親のいない世帯への補助」で、父親を益々無責任(家庭を振り返らないよう)にするだけで自助努力しない人間を作っている。これでは貧しい黒人は自由にもなれないし、貧しさから抜け出せない。
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