ルパン三世PART5 EpisodeⅣ に泣く
アニメ・ルパン三世はもともと好きだった(峰不二子とのバカバカしいやりとり、しゃれた大野雄二さんの音楽)。しかし、これを見て泣くとは思わなかった。
EpisodeⅣはPART5第21話~24話として2018年8月~9月にかけて日テレ系で放送された。俺は2022年にMXで再放送を見た。ちなみに2019年4月に原作者のモンキーパンチ氏が死んでいる。脚本は大河内一楼。
さて、登場人物(ルパン、銭形、不二子、五ェ門、次元といったおなじみのメンバーは除く)
アミエナン:天才少女ハッカー。母親は日本人で名前は「網」に由来。6歳の時キッズポルノ業者に誘拐されたが、才能を認められハッカーに。母親は死んだ。父親はエンゾブロン。ルパンを助けて仮想通貨を盗んだのが縁となり、段々ルパンに好意を抱くように…峰不二子の恋敵。
エンゾブロン:巨大IT企業「SHAKEHANZ」社の創設者。AIの解析で膨大なデータからあらゆる人間に関する情報を割り出す革命的SNS「ヒトログ」を発明。
あらすじ:
本作に出てくる「ヒトログ」の機能は”140字の戦争”に登場した、2014年に起きたマレーシア航空機撃墜事件はロシア製のブークミサイルによって行われた、と突き止めたtentative & voluntaryなチーム(bellingcat*)の機能と全く同じ。脚本の大河内さんは一体何から思いついたのか?ちなみに”140字の戦争”の原作が発表されたのが2017年、日本語の翻訳版が出たのが2019年。本作の脚本が書かれたのが2017年か2018年。大河内さんの想像力は素晴らしい。そして「ヒトログ」に人間臭くあきらめずに挑戦するルパンも素晴らしい。五ェ門や次元は「もうついていけねえ」とか「面倒な世の中になったもんだ」と俺と同じセリフを吐いて逃げ腰。「ヒトログ」は法律や司法に代わって不正を働く政府や会社を露わにし、政治家のように人々を扇動した。秘密が守れなくなるので知的財産という概念も意味をなさなくなるだろう。「透明で秘密がない」ことは破壊的だ。
bellingcatみたいな「いいね」が取り持つ縁でできたチームのことを何と形容すればよいのか?spontaneoous, tentative, voluntary…強制されていない、恒久的でなく用が終わったら解散する、報酬目当てでない好き者同士、そういうチーム。これが衣食住、エネルギー、安全の確保・生産といった国家・会社の機能を100%代替できるとは思えないが、国家・会社の効率を上げたり不正や不正義を暴くことはできるか?ただし、不正者の猛烈で大量なfakeニュースに邪魔されるだろう。bellingcatの機能を「ヒトログ」のようにAIにやらせる…そのうち、AIが過去の実績から政策にしろ、戦争にしろ、人間に代わって決定する?それこそついていけねえ世界だ。ルパンのようにAIを自分のしたいことに利用できるか?それともAI様に操られるか?五ェ門の言う通り「だが、悪くない」…となるよう祈る。
*bellingcat:猫に鈴をつける
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