家具はムラウチ八王子
数十年前、「家具はムラウチ八王子」というキャッチフレーズのTVCMがあった。「ムラウチ」という老舗の家具屋が八王子にあったということ。
さて昨日久しぶりに中央高速を通り、八王子の街を見た。驚いたのはムラウチの本社店舗の真向かいにニトリの大きな店舗があったこと。ニトリのやることに違法性はない。ただ、大きな違和感を覚えた。日本の家具屋なんてニトリの一人勝ちでしょう。死に体のムラウチの本社の前にでっかい店舗をつくるこたあねえだろう。恥を知れ!こんなことをされたムラウチの社長以下はどれだけ恨むだろう。資本主義・法治主義ってやだね。違法でなけりゃ何をやってもいいんだから。法律より常識というか、教養が力を持つ世の中なんて望むのが無理なのか。こうして日本中の地方の家具屋の老舗がつぶれ、ニトリ一色になる。因果は巡って、そのニトリもいずれは新しい「ニトリ」にやっつけられる。
ルースベネディクト女史によれば、日本人は恥の文化、キリスト教徒は罪の文化とか。この「罪」ってやつが曲者で、ベネディクト女史の頃はまだ、罪といっても法律上のものではなくて、宗教や常識、教養が個人個人独自の「罪」の意識を形作っていただろうと思う。資本主義、新自由主義、株主資本主義はこれを破壊し「違法でなければ何をやってもいい」にしてしまい、地球の持っている環境負荷や資源供給の能力を超えてしまうようになって慌ててSDGsだとか言い出す。(一方で日本の「恥」も破壊されたのは上述の通り。)別にキリスト教徒じゃあないけど、こういう人間の「限度をわきまえずにやり過ぎる」性質を”原罪”と言うのでしょう。キリスト教徒なら原罪を背負った人間はいずれ神の前で裁かれて救われるものと救われない者に分かれるわけだが、さて、キリスト教徒でない俺は暗澹とするのが精いっぱい。救いがあるとはなかなか思えないね。
SDGsもかなりいかがわしい。単なる流行り、ファッション(つまり「ごっこ」)ではないか?商売のネタにはなる。これが資本主義(アングロサクソン)の逞しさ。だけどまだ資本主義の恩恵を受けていない人達は反発しないか?早いもん勝ちで先進国がさんざんプラスチックその他の資本主義的商品の恩恵を受けた後、「その恩恵はここまで、これ以降は恩恵なし」と言うようなもの。核拡散防止条約も全く同じ。すでに核兵器を持ってる連中が他の国に核兵器を持つなって言うっておかしいだろう。たぶんこれを言い出したのはアメリカ・イギリスだと思うが、アングロサクソンの浅知恵。都合のいい条件で契約や法律やルールを作って他人に押し付ける。そろそろ他の知恵を編み出せないか。(この点で中国の台頭に期待。)これにしっぽを振って追随する日本の情けなさ。「戦争には負けるもんじゃない…」
コメント
コメントを投稿