アメリカの二枚舌、ロシアは日本と似ている、中国はしたたか

ウラジーミル・プーチンが「スラブ民族三兄弟」などと言うものだから、聞き覚えのある「民族自決」をウィキペディアで調べてみた。民族自決とは1917年ウラジーミル・レ-ニンがロシア革命の最中に言い出したことで、それをアメリカのウッドロウ・ウイルソン大統領が高く評価し、植民地を持っていた英仏などは無視したとある。英仏の反応は素直だが、ウイルソンさんは二枚舌。民族自決を言うなら、アメリカに移民してきた様々な民族はそれぞれ元の国に帰るべきだし(固有の民族を待たないアメリカは成り立たない…しいて言えばインディアンの国?)、ハワイの傀儡政権も廃止すべきだし、スペインから奪ったキューバやフィリピンやグアムも独立させるべきであった…なぜか、民族自決は第一次世界大戦で敗れたオーストリアハンガリー帝国、オスマントルコ帝国の後始末に限ってのことにだった。(ちなみにハワイの傀儡政権の大統領はドールという名前のアメリカ人で、そのいとこがバナナで有名なドールを創業した…このころからアメリカ人はハワイを食い物にしたきた、ということ)

さて、第一次世界大戦から手を引いて革命に専念したいソ連はドイツ・オーストリアハンガリー・オスマントルコ帝国と講和交渉を始めたが、足元を見られ、1918年、フィンランド、バルト三国、ポーランド、ウクライナなどを手放すという条件を飲まされた。ところが、その8か月後にドイツ・オーストリアハンガリー・オスマントルコが第一次世界大戦に負けたため、この屈辱的な条件は無効となり、1922年、ソ連はウクライナを取り戻した。ウィキペディア(”ウクライナの歴史”)によると、1922年ソ連は「ウクライナ人の問題を解決するため」と称してウクライナに人工的な大飢饉を促した、とある。ソ連、ロシアという国は自分で運命を切り開くというより、自分のしでかした失敗がその後の国際情勢の変化で帳消しになるという「運」を持っている。上述の足元を見られた交渉しかり、1939年ヒトラーとの密約でポーランドやフィンランドに侵攻し、国際連盟を追い出されたが、その2年後、ヒトラーが密約を破ってモスクワに侵攻したため、ソ連よりはまずヒトラーをたたくべき、と考えた英米がやむなくソ連と手を結び、図らずもソ連は第二次世界大戦の戦勝国になっていた…日本だって、大東亜戦争に負けた直後に冷戦がはじまってアメリカ様がひいきしてくれたという幸運に恵まれ、平和憲法などという途方もない理想を授けられ、75年間もありがたく戴いている。ただしソ連は共産主義なんていう途方もない理想から70年たって目覚めた。日本の平和憲法は制定以来75年を経ても金科玉条であり続けている。当のアメリカが再軍備しろ、って言ってるのに…この硬直ぶり、変革嫌い、一徹ぶりは世界に誇るべきかも。

国際世論を味方にできない点、プロパガンダが下手という点も日露似てないか?民族自決の理想を実現すべくアメリカのハワイ傀儡政権の真似をして満州に傀儡政権を作った日本は国際世論に叩かれた。さんざんイラクをいじめ、イラクが辛抱たまらず戦争を始めたら、ブッシュ親子大統領は、でっちあげの”大義”を振りかざし、嘘で固めたプロパガンダ(フェイクニュース)で国際世論を誘導して湾岸戦争、イラク戦争をした…これを見て嘘でもいいから適当な言い訳をでっちあげて他国を破滅させてもいいんだと知ったプーチンは、もともと兄弟だからとかNATOが怖いなんていう理由でウクライナを侵攻した…そしたら国際世論はロシアが悪い、と。100年来の「民族自決」をウクライナ侵攻の理由にしているんだけど、ロシアには多国籍軍を作るような図太さ、辛抱強さ、周到さ、人気がない。

この点で素晴しいいのは韓国。虚実を交えた演技演出が上手。韓国映画はアカデミー賞を取ったし、BT何とか言うアイドルグループも世界的な人気があるらしい。日本人は恥ずかしくて韓国人のような嘘交じりの演技はできない…日本人には恥や誠の意識が強すぎる。ロシア人もそうかも。ウクライナ側の「ロシアってこんなひどいことを」という映像をフェイクニュースと言うロシア。でも「ウクライナって、こんなに悪い」という国際世論に受けるようなフェイクニュースを流すことはできないロシア。

したたかなのは中国。一帯一路などと称して弱小国を金で買う。弱小国といえども国連では一票を持っているし、WHOのような国連組織の親分を出すことができる。トランプは素直にこれを嫌って国連なんてクソだ、と言った。日本に攻められた蒋介石は奥さんを使ってルーズベルト米大統領に助けて、とすがりつき、アメリカで「日本は悪い」キャンペーンをやった。中国4000年の歴史のなせる技か、はたまた19世紀以来、欧米や日本にいじめ抜かれた経験が生きているのか?日露のような下手で性急なアメリカの真似はしない。こっそり、ゆっくり経済力や軍事力で弱い国を手なずけ、味方・属国・傀儡にしていって国際世論を有利に誘導しようとする。面白かったのはファーウェイ事件。スマホやITを牛耳られるとデータや情報が抜き取られ、のぞき見されるって、GAFAやインテルを使ってアメリカがやってきたことそのもの。アメリア人にしてみればその真似を他国、それも黄色い奴らにやられるのは嫌だ、ということだろう。証拠を示せ、と言われたトランプは証拠を見せることができなかった。証拠を見せると、アメリカのやってることがバレてしまうからではないか?アメリカの場合、加えてソフト、アプリまでアメリカ製だから完璧。中国が自前のソフト、アプリを作るのも無理はない。不思議なのはマイクロソフトのword,excel,パワポの3点セットのコピーが中国で作られ、それが日本でも堂々と売られていること。マイクロソフトとどういう密約があったのか?それに比べて我が日本の情けなさ。かつてはトロンだ、一太郎だ、と、日本人の作ったソフトがあったが。

中国には悠久の時が流れている。日本人のように目先のことにこだわらないし、誠や恥にこだわりすぎておかしなこと、過激なことをすることもない。ギリギリで国際世論の枠内に踏みとどまるし、また、国際世論の枠を自分寄りに持ってこようとする。気長で我慢強く基本に忠実。中国の最大の懸念は2014年まで続いた一人っ子政策による少子高齢化。これで年金が減るとか、成長が止まるなどということが顕在化したとき、日本人と違って我慢強くない中国人は反乱を起こすかも。(中国共産党はそれが一番怖い。中国の歴史は百姓が怒り、それが原因で権力者が打倒されてきた歴史)一方で、アメリカもそのうち第二次南北戦争を始めるか、白人至上主義国とダイバーシティー主義国に分かれるかも。米中の内輪もめ、どちらが早いのか?米中両国の皆さん、飯が食えて将来が明るいと思えば権力者を絶賛するが、そうでなくなったとたん権力者を罵倒する。アメリカの分断も「自分たちより子供たちの方が豊かで幸せになれる」と信じられなくなった人が人口の約半数を占め、トランプを支持しているから。

閑話休題:

かつてはシャラポワ始め、ウクライナの女って美人が多かった。最近のウクライナ人の美人比率は大きく下がった感じ。

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