石原莞爾 マッカーサーが一番恐れた日本人

 以下、「石原莞爾 マッカーサーが一番恐れた日本人」(早瀬利之、2013年、双葉新書)より、石原莞爾が東京裁判の証人としてアメリカの検事、記者などに語ったとされる発言を引く:

対中国政策に関しては、東條と私との間に別に意見の相違はなかった。なぜなら、東條という男は。およそプラン(作戦)など立てる男ではなかったからだ。彼は細かい事務的なことはよくできる。しかし中国政策というような大問題に関しては全く無能だった。彼は臆病者で私を逮捕するだけの勇気もなかった。東條のような男やその一派が政権を握り得たという事実が、すでに日本没落の一因でもあった。

東京裁判を見るに、日本の戦犯は東條を初めとして、いずれも権力主義者で、権力に媚び、時の勢力の大きい方について甘い夢を見ている者ばかりだ。莫大な経費をかけ、世界のお歴々が集って国際裁判に付するだけの値打ちのある者は一人もいない。みんな犬のような者ばかりではないか

(東京裁判において、日清戦争まで遡って戦犯を処罰すべきだ、と言うなら)ペリーこそ戦争犯罪人だ。ペリーを呼んで来い。鎖国政策を取っていた日本にペリーが黒船に乗ってやって来て、門戸を開けろと迫り、列国との交わりを強要した。それで日本も門戸を開放して外国と交際をしてみた。すると、列強はみんな侵略主義の恐ろしい国だと知ったのだ。それから日本は自衛のために、貴国(アメリカ)らを大先生として泥棒の侵略主義を習い、覚えた。いわば日本はアメリカの弟子だ。教わったことを日本がやったら、今度は戦犯だという。だからペリーを呼んで来い。彼をあの世から呼んできて、戦犯としてはどうかね。

ルーズベルトが死んだ直後だから5月頃アメリカ軍が飛行機から落としたビラに「もし、日本国民が銃後において軍と共に戦争に協力するならば、老人、子供、婦女子を問わず、全部爆撃する。だから平和を念願して反戦態勢の機運を作れ」と、トルーマン大統領名で書かれている。これは何だ。国際法では、非戦闘員は爆撃するな、と規定があるにもかかわらず、非戦闘員を何十万人も殺したではないか。国際法違反である。このビラがそうだ。立派な証拠である。東京では家はもちろん、犬ころまでB29で、軍需工場でないところまで非戦闘員を爆撃したではないか。広島と長崎には原爆を落とした、これはいったいどうしたことだね。世界の道義に訴えて世論を喚起すべき性質のものである。トルーマンの行為は第一級の戦犯だ。一国の元首である大統領ともあろうものが、こんなビラを出したのは蛮行である。

ソ連の検事は国体について尋問した。石原は「天皇中心とした国家でなければ日本は治まらない」と理由を説明した。ところが共産党国家の検事はせせら笑って、スターリンのソ連国体を持ち出した。その時、石原はムッとして「自分の信仰を知らずして、他の信仰を嘲笑うような下司なバカ野郎とは話したくない。帰れ」と激怒した。通訳感が慌てて「この人は、ソ連では優秀な参謀です。話をすれば分かると思います。ぜひ進めてください」と頼んだ。すると石原は、「バカを言うな。こんなのはソ連では参謀では優秀かも知れんが、日本では箒で掃き出すほどいる。こんなバカとは口を聞きたくない、帰れ」と突っぱねた。「分かるように話してやる。君らはスターリンといえば絶対ではないか。スターリンの言葉にはいっさい反発も疑問も許されないだろう。絶対なものは信仰だ。どうだ判ったか。自分自身が信仰をもっていながら、他人の信仰を笑うようなバカには用はない」

マッカーサーの占領政策は失敗する。原因は一般の日本人から嫌われている日本人の最も軽蔑するオベッカ使いの言い分を信用して軍政を行っているためである。それはあたかも漢奸によって誤った日本軍の轍を踏むのと全く同じであるのだから、マッカーサーは失敗するに違いない。

※漢奸:本来は中国において漢民族でありながら、異民族による侵略の手先となる者。

どこまで本当か分からないが、敗戦直後に、戦勝国の人に向かってこんなことを言い放ったとしたら格好いい。

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