福田恆存全集(東風西風)

 昭和40年(1965年)から翌年にかけて福田恆存さんが読売新聞に掲載していた「東風西風」を読む。本人が「保守反動の徒」と自称しており、共産党、社会党、日教組、美濃部都知事、学生運動、進歩的文化人、役人、新聞、TV…ばっさばっさと論難、批判。或いは日本人は情けない、と嘆息、愚痴。あまりの執拗さに辟易し、読み飛ばす。当時は真剣に共産革命が起きると危惧されていたことが分かる。当用漢字にも反発し、当用漢字でない旧漢字を多用するのでときどき解読に手間取る。「東風西風」とは別だが、日本国憲法を「当用憲法」と蔑称したのは面白い…アメリカから押し付けられた憲法なんて当用だ、間に合わせだ、すぐ廃止してしまえ!という意気込みだったが廃止も改憲されないまま…福田さん自身が指摘したように、日本人はお上に弱く、自己主張しない情けない民族だから?

例外的に絶賛もしている。例えば新潮国語辞典。それも2回立て続けに。「どの家庭や事務所にも必ず備えて置くべき」と。早速auペイマーケットで買う。1965年発行の初版本?の中古。\1650。

1966年4月20日付けの「高校野球」と題した一文に”一寸考えてみれば、およそ察しの付くことだが、今の世の中は、その『一寸考えてみる』暇が一寸も無いほど次々に話題の波に押し流されている”とある。何千年も前のギリシャでも”今の若者は…”と言われていたとか。一寸考えることができないほど忙しいのも昔から?

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