コンプライアンス違反なんて時間がたてば・・・

防衛研究所戦史研究センターの松原治吉郎主任研究官に、朝日新聞の牧野愛博がインタビュー。下記に引用するが、この二人は、(あるいは朝日新聞も)自衛隊を「軍」と認めている。「軍」とはは、下記の憲法9条で保持することが禁じられている「陸海空軍その他の戦力」だ。つまり、下記引用記事において、堂々と「自衛隊は違憲(だけどなきゃ困る)」と明言しているのだ。

何十年か前は、朝日新聞は、社会党、共産党と軌を一にして、戦争嫌い、戦争怖い、米軍・自衛隊は違憲だから廃止しろ、自衛だろうが何だろうが戦争のことなど一切語ろうとしない、という頑なな姿勢だったと記憶する。

結局それでは人気も票も取れないから、社会党、共産党、朝日新聞の皆さん、うちそろって、徐々に自衛隊違憲論を引っ込め、今じゃあ、朝日新聞は、堂々と「自衛隊は軍だから違憲だ。だけどなくすことはできない。必要だ。」と認めるに至った。これじゃあ、石丸君に「恥を知れ!」と怒られてもしかたない。

                記

第二章 戦争の放棄
第九条 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
② 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない

>>今や、自衛隊が違憲かどうか、なんて野暮なことは言うのは流行らないのか???日本国の、憲法違反という最大のコンプライアンス違反も時間がたてば、OKになるのか?

ジャニーズ出身の元アイドルのみなさん、安心してよい。何年か経てば、皆さんのコンプライアンス違反とかハラスメントなんて完全に忘れ去られる。

以下、記事の引用:

戦後80年、国会で続いた「神学論争」 制服組なしでできた国会答弁

「軍が暴走して戦争に至るわけではない」

 2・26事件や5・15事件のように、軍が政変やクーデターを起こすことはありますが、軍が暴走して戦争を起こすわけではありません。戦争は国際情勢をはじめとする多種多様な原因があいまって起きるものです。

 先の大戦の場合、日中戦争の解決や日独伊三国同盟などを巡り、日米交渉が成立しなかったことが戦争の直接的な原因でした。

 ――制度としての問題はなかったのですか。

 戦前の軍は勢力を増す政党の介入を恐れ、(天皇の大権である軍隊の指揮に政治の介入を認めず、天皇を直接統帥部が補佐するという)いわゆる「統帥権の独立」を制度化しました。

 ただ、最も根本的な問題は当時、第1次世界大戦の教訓から、「次の戦争は総力戦になる」と広く理解されていたことにあります。軍事だけでなく経済も思想も全て結集した体制が必要とされました。当時の強力なエリート官僚集団だった軍が、自他ともに役割を肥大化させたのは自然な現象だと思います。

 緊張する国際状況のなか、軍だけではなく政治家、財界、マスコミなどを含めた様々な集団が競い合って危機をあおり、立ち止まって考え直す勇気を持てなかったという「日本全体の暴走」が、日本を戦争に至らしめたと考えています。

――日本は戦後、政軍関係を変えました。

 戦後日本の政軍関係の特徴は「文官優位」でした。保安庁や後身の防衛庁の内局に制服組を入れず、国会答弁も内局の官僚だけに限りました。戦前、軍部により痛い目に遭った内務官僚が初期の内局を構成したことが始まりです。戦後長く、自衛官は制服を着て首相官邸や国会議員会館を訪ねられない時期が続きました。

 憲法第9条で「自衛隊は軍隊なのか」という「神学論争」が続いたことも影響しました。国会で保革両陣営が対立するなか、安全保障の議論はイエスかノーかの憲法解釈論に集中し、脅威に対する軍事的な評価や日米同盟に基づく防衛協力のあり方などを議論する機会がありませんでした。自衛隊の装備も、米国に言われた通りに購入する時代が続き、制服組なしでも国会答弁が可能でした。

 ――日本には軍事法廷がありません。

 憲法は特別法廷の設置を禁じていますが、これは軍事法廷を禁じる意味もあります。「自衛隊は軍隊ではない」という発想のもと、特別な扱いをしませんでした。

 軍事法廷は適用される法律が、一般の裁判所とは異なります。戦争で敵前逃亡を職場放棄と同じようにみなしてよいのか、民間人の巻き添え被害を出したことが罪にあたるのかなど、軍事知識を持たない一般の裁判官によって裁くのが難しい場合があるのです。

現実化する軍事的脅威、必要な制服組の意見

 ――従来の政軍関係は今後も維持できますか。

 日本を取り巻く軍事的脅威が現実化しているなか、オペレーションについて専門家である制服組の意見を聞かないと議論が深まらないケースが出てきていると思います。

 私は過去、自衛隊のイラク派遣に同行しました。当時、現地のテロ組織などがC130輸送機をミサイル攻撃する可能性が危惧されていました。政府内外での議論の際、「C130を鉄板で強化したらどうか」「ミサイルを欺瞞(ぎまん)する装備を追加すればよい」などの意見が出たと記憶しています。

 ところが、制服組は「戦争を想定した装備にゼロリスクは存在しない。鉄板や追加装備を施せば、逆にC130の機動性が落ちて狙われやすくなり、輸送力も減る。むしろ任務達成が困難になる」と話していました。ウクライナ戦争でも、ドローン(無人機)を使った新しい戦術効果や対応方法などは、まず制服組の意見を聞く必要があります。

 自衛隊が有事に投入される可能性が出てきている以上、軍事法廷の設置が検討されることは自然だと思います。

 ――政軍関係を変える必要がありますか

 現在の日本の政軍関係が揺らいでいるとは考えていません。むしろ、多少の摩擦や議論があったほうが、政軍関係は安定すると思っています。

 他方、憲法改正の是非もありますが、個人的にはまず自衛隊の立場を明確にすべきだという意見に賛成です。「日本を守る軍事組織」と位置付ければ、国会などで中国やロシア、北朝鮮などの軍事的脅威に対してどのように日本を守るのかという議論が活性化します。従来、立場があいまいだった自衛隊員の士気も上がると思います。

 もちろん、現実に即した軍事的な議論を行うことと、過去の日本が引き起こした問題への反省は別の問題です。日本の置かれた歴史的な背景や国際的な環境を踏まえ、日本なりの政軍関係を構築していけばよいと思います。

>>

エリート官僚集団:1930年代の軍はエリート集団ではなくなりつつあった。1920年以降、軍縮ムードの中、軍人は不人気になって有能な若手は軍に来なくなった。そこで1920年以降入隊した軍人はレベルが低い上、甘やかされ、つけあがってテロを行った。このテロを利用して軍はやりたい放題できるようになった。

「自衛隊は軍隊なのか」という「神学論争」が続いた:米国の後ろ盾を頼りに自民党が明らかな違憲を違憲でない、と嘘をつく。だけど、それでも選挙で勝つ。野党は自衛隊違憲論の虚しさを知り、中ソに忖度して(入れ知恵されて)非武装中立などというバカなことを言いだした。日本の国会で与野党が冷戦の代理戦争をしただけだ。この時点で、”戦後民主主義”は「ごっこ」、「なんちゃって」になった。

自衛隊の装備も、米国に言われた通りに購入する時代が続き、制服組なしでも国会答弁が可能でした。:まるで今は米国に言われた通りでないような・・・今でもアメリカ様のおっしゃる通りしかできないでしょ。自衛隊には実戦経験ないんだから。北朝鮮・中国を見よ。ウクライナで実戦経験を積んでいるぞ。

制服組の意見を聞く必要:100年前の軍と同じく、自衛隊にも有為の若者は入ってこない。まともな人間が制服組にどのくらいいるのか?・・・有為の若者に入ってもらうには、まず、自衛隊を合憲にしなくっちゃ。

政軍関係を変える必要がありますか。:この質問は朝日新聞・牧野の発したもの。彼は、自衛隊を「軍」と認めているから、政府と自衛隊の関係を「政軍関係」と言ったのだ。

憲法改正の是非もありますが、個人的にはまず自衛隊の立場を明確にすべき:これは松原氏の発言。何を言いたいのか意味不明。自衛隊の立場を「自衛のための軍」とはっきりさせたいから改憲するのだ。

問題は、違憲、つまり、長らく「存在しない」ことになっていた自衛隊が、実力行使(=実際に戦う)する場合の統制の仕組み・ルールだ。存在しないことになっていた自衛隊をどう制御するかなんて、票にならぬことを誰も真剣に考えるはずがない。次のような両極端が想定されるが、俺は①が有力だ、と思う。

①実戦経験がないから制服組も含めて日本人はみんな右往左往する。政府はいちいち野党に報連相してご機嫌をうかがわないと何も決められない・・・米軍にあきれられる。首相あるいは防衛相が、こっそり、米軍に「ご指導ご鞭撻」をお願いし、自衛隊は米軍の指揮下で動く。そうなるまでに日本は破壊または占領されてしまう可能性がある。(そうなると困るから、歴代首相はすでに、米軍に対して「有事の際は、政府も自衛隊もご指示に従います。」と申し入れているかも)

②自衛隊制服組が「どうせ首相以下の文民は戦争なんてできない」という正しい判断に基づき、米軍の指示を仰いで首相・防衛相など無視して勝手に動く。制服組はさすがに、米軍も無視しては動かないのではないか?ただし、戦争の結果及び政治家・国民の自衛隊に対する評価反応が自衛隊制服組と若手自衛官を絶望させれば、彼らがクーデターを起こすなんてことは・・・ないか??


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