息子の嫁の話で気づかされたこと
息子の嫁が保険会社を辞め、別の保険会社に転職した。結果的には転職だが、嫁は前の会社では逆マタハラにあって渋々辞めたのだ。
さて、前の会社では数少ない女子管理職になった嫁は子供を産んでから「とても管理職なんて責任のある仕事はつとまらない。管理職自ら『子供が熱出した』などと言って早引けするのは忍び難い」と考え、降格して欲しいと上司に頼んだが「子どもを産んだことを理由に降格するのはマタハラになるからできない」と、断られ、育児を優先してやむなく退社した。
退職後、子供の様子を見ながら自宅から通えるS保険に再就職した。(もっとも、S保険の近くには元の会社の支店もあるらしいが)S保険では、早引け自由、育児優先、管理職でないから気楽・・・なのだそう。嫁に聞いたら「前の会社で一人でやってた仕事を3人でやってる」由。一言で言えば「ゆるい」のだ。
さて、効率的で多分大いに儲かっているA保険会社とそうでもないB保険会社について架空の比較を試みる。売り上げと売上高粗利益率は両社同じでそれぞれ1000億円、20%とする。社員数は効率の良いA1000人、Bは倍の2000人とする。一人当たり労務費はA1500万円、B1000万円とする。
A:社員1000人で売り上げ1000億円。粗利は200億円。一人当たり労務費1500万円×1000人=150億円。利益50億円。
B:社員2000人で売り上げ1000億円。粗利は200億円。一人当たり労務費1000万円×2000人=200億円。利益ゼロ。
さて、俺たちに染みついていた「効率を上げ、より少ない人間でより大きな売り上げをあげ、より大きな利益を…」という強迫観念から見れば、A社が圧倒的にいい会社だ。競争力がある。給料も50%高い。しかし、雇用吸収力はBの半分だ。B社は効率が悪い分利益も少なく給料も安い。一方で余分な能力・人が存在するから育児する親にもやさしくする余裕がある。
今、会社に求められているモノは何か?Bのように、給料は安い、効率が悪く人も多い、でもより多くの人を雇用し、余力が多いから突如早引けする人が出ても何とかカバーできる・・・ことではないか??それが昔の日本の会社だった。
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