高市早苗じゃないと日本は終わります
2024年9月24日付け 週刊現代
「高市早苗じゃないと日本は終わります」石丸伸二応援団長・ドトールコーヒー鳥羽会長が、自民党総裁選で「保守のプリンセス」を応援する理由 より:
「国家は一人の優れた指導者により繫栄し、また一人の指導者によって滅びます。では、今回の総裁選の候補者を見比べたとき、最も政策がしっかりしていて、かつ『知識』『見識』『胆識』の3つが揃っているのは誰か。
私はダントツで高市さんだと考えております。高市さんには政策を断行できる実行力もあります。この方が総理になれば日本は立ちどころに変わるのではないか。そんな期待を込めて応援しております。
日本のGDP(国内総生産)はドイツに抜かれて世界4位に落ちました。一人当たりGDPに至っては世界38位です。国力の低下は明らかですが、残念ながら危機を訴えているだけの政治家が多いのが現実です。
石丸さんは安芸高田市長時代、市議に対して『恥を知れ! 恥を!』と言い放った。一種のパフォーマンスですが、これでバズッた。そこまで計算していて演技をしていたわけです。これはたいしたものだと思います。
>>全く分からない。ただし、鳥羽会長の政治家を応援しよう、インキュベーターになろう、という志は素晴らしいと思う。問題は人選だ。出来上がった人でなく、適切なマネージャー・教育者を確保して、松下政経塾のように、政治家を作る、産む、ということをなさったらどうか?鳥羽会長の好きな高市早苗も松下政経塾の出身だ。
日本の歴史を振り返って、一人の優れた指導者により繫栄し、また一人の指導者によって滅びたことはない。幸か不幸か、日本という国には、”指導者”は生まれない。国の”指導者”とは国民全体を自分の意のままに動かす意志と力のある個人を指す。首相一人が代わるっても、官僚組織・人事は大きくは変わらない。首相に忖度はするが、官僚個人の価値観や好みは変わらない。日本人は上司や親や先生・・・の言う事を表面上聞くフリはしてもそれは、損得を計算してのことだ。得すると思えば(言う事を聞かないと損すると思えば)、言う事を聞くだけだ。言うことを聞いて得している限りは言うことを聞くが、言うことを聞いていたら損する、と判断すれば手のひらを返す。損得の判断根拠はあいまいで変わりやすい。言い方を変えれば「空気」「みんながそうする」からそうするだけだ。空気が強い風で入れ替わり、「みんながそうしなく」なれば途端に変わる。ドイツにおけるヒトラーは国家のリーダーだった。残念ながら神様が無数にいる日本においてはヒトラーのような、唯一神は現れない。(日本人にとってはそれぞれの個人個人に神がいる。)強いて言えばGHQのマッカーサーはリーダーに近かった。しかし、そのマッカーサーだって、損得を計算して、先代のリーダーである天皇を殺すことはもちろん、戦争責任を問う裁判に引きずり出すことすらしなかった。天皇も日本国民も「もう戦争はこりごり」だったから「日本に戦争させない」としたマッカーサーの言うことを聞いただけだ。
GDPがドイツに抜かれたから国力の低下は明らかというのも理解不能だ。GDPを大きくする=成長=国民の幸せ、という門切り型はもうオワコンだろう。石丸君もそう考えていると思う。問題は、GDPや、資本主義や民主主義・・・といったオワコンに代わるものがなんだか分からないことだ。
石丸君を安芸高田市議を馬鹿にしてバスったとその計算・演技を褒めるのも全く分からない。安芸高田市民のことを馬鹿にして自分だけYouTubeで稼ごうというだけだ。今後も同様の計算をし、政治パフォーマンスで稼ごうとするだろうが、リアルな政治の現場において石丸君に何が期待できるのか?仮に首相になったって、周りの政治家や官僚を馬鹿にしてSNSでバズることを狙うだけだろう。そうなったら日本は滅ぶ?・・・いや、滅ばない。何年かして飽きられたら次の首相に交代するだけだ。その間、GDPは小さくなるだろうネ。GDPが小さくなることを「滅ぶ」と言うのなら日本は滅ぶとも言える。
石丸君のユニークなところは、他の人がビジネスキャリアを売りにするところを、「政治家」キャリアを売りにしようとしたところだ。
閑話休題:
それにしても、「日本は終わる」は流行ってる。
”高市早苗じゃないと日本は終わり”は奇しくも、我が娘と同じフレーズだ。90歳近い鳥羽会長と我が娘が同じフレーズを口走るのがとても興味深い。我が娘は「GDPや、資本主義や民主主義・・・といったオワコンに代わるものがなんだか分からない」からイライラし、絶望している。鳥羽会長はGDPや、資本主義や民主主義・・・といったオワコンをオワコンと考えず、復活させたいのだ。
今の日本は危険と言えば危険だ。「GDPや、資本主義や民主主義に絶望し、それに代わるもの」に飢えている。あまりに軽い石丸君はさておき、「これがGDPや、資本主義や民主主義に代わるものだ」と称する人・ものが現れると簡単に飛びつく可能性が大きい。この点、1930年前後の日本と似ている。当時は軍人に日本を任せて日本は「滅んだ」。しつこいようだが、一人の軍人ではなく、また天皇一人でもなく、「軍部」と呼ばれる、テロに走った青年将校やそれを利用した陸海軍幹部、それに取り入った財閥や官僚・・・が、自分あるいは自分の属す組織の勢力を伸ばそうとしたら、アメリカに睨まれ、対米戦争を回避できなくなり、国全体を滅ぼしたのだ。
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