東谷暁 金融占領

  2006年 イースト・プレス刊「アメリカの日本改造計画」より:

1980年代以降、シリコンバレーは投資銀行と投資ファンドの支配するところとなり、まだ未成熟な新興企業を無理やり上場させてキャピタルゲインを獲得し、上場させた実体のない企業にM&Aを展開させて手数料と成功報酬を稼ぐ仕組みが成立した。これを「シリコンバレー精神」と呼んで、シリコンバレーの仕組みとは「仮の成功」でも資金が得られる素晴らしいものであるかのように称賛するコンサルタントもいる。しかし、現実は「仮の成功」が「失敗」に転じたとき所有する株式が紙切れになるのは膨大な数に膨らんだ一般投資家たちであり、「成功」に転じた時に利益の大半を手にするのはインサイダーたち、すなわち実体のない企業、投資銀行、ファンド、コンサルタント、法律事務所、会計事務所なのである。この縮図を日本の「証券化」に当てはめれば、いまの日本経済が置かれている位置がみえてくるだろう。

>>シリコンバレー精神に関する記述は正しそうだ。確かに素人投資家は大損し、インサイダーは大もうけする。それはそうだが、一方で「証券化」によってシリコンバレーでは突拍子もない、革命的な世界を席巻するようなものが生まれるのも事実だ。「仮の成功」でもよしとして励ます投資家がインキュベーターになっている。

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