近くのリサイクルショップ/古道具屋で

 近くのリサイクルショップ/古道具屋を1月か2月に1回は覗く。この店はチェーン店だが、店長が変わったのか、置く品物の選択、置き方が変わった。たくさんのモノを置いて前より狭苦しい感じ。ぶつかって壊さないよう気を付ける。中古DVD、レコード、CDなどが見やすく展示されている。ジャズのCDもあるので嬉しくなって以下を買う。・・・ルパン三世のテーマ曲のEPレコード(ドーナツ盤)もあったが、これは買わなかった。でもこれを発見してますます嬉しくなった。

①Modern Jazz Quartet ”For Elligton” 550円

②Dave Brubeck ”The essential Dave Brubeck" 2枚組で880円

1枚なら550円、2枚組なら880円、という中身を問わない即物的な価格設定がいかにもリサイクルショップという感じでよろしい。こういう誰でも査定が出来、値付けができるという普遍的システムを開発し、大々的に展開したのはブックオフではなかったか?だから好事家にとっては「こんな代物にこんな値段が?」とある時は大変うれしく、また、ある時は非常に悲しいことになる。俺にとっては好きなプレーヤーのCDやレコードが1枚数百円で売っていると、すでにコレクションにあるものかどうか頼りにならない記憶を頼りに「持ってない」と判断すれば”記念に”買う。この店が模様替えしてよくなったからご祝儀に、みないな気味もある。

早速聞いた。まず、この①は持っていなかった。②の一部はアルバムの性質上、数曲はコレクションとWるが想定の範囲内。

さて、①は全く駄作。買った後、中に入っているパンフレット(CDの場合、こういうのもライナーって言うのか?LPレコードの裏ジャケットに書いてある解説文をかつては”ライナー”と言っていた。)を見ると、1974年解散したMJQが1981年に再結成し、1988年録音したものだった。ドラムスのConnie Kayがダサい。往年のリズム感・茶目っ気・覇気が失われてしまっている。1927年生まれだから、録音当時、まだ耄碌するには早かったと思うんだが、往時からこんなにダサかったのか?と1964年TV局でライブをやったMJQをYouTubeで聞く(見る)。司会者の英語、観客の硬さ・お行儀の良さからアメリカではない、多分イギリスのTV局だろうと推測。白黒だ。それはともかく、Connie Kayはダサくない。MJQの動画を見るのは初めてだったのだが、おそろいのスーツ着て、ネクタイ締めてお行儀よく演奏している。ジャズの演奏ではない。4人ともつまんなそうな顔。よくこれで1950年代初頭から1974年まで20年以上解散せずに我慢したなあ、という感じ。それも、1981年に再結成だなんて・・・。

このCDに限ってはドラムスなしの方がよい。他の3人はそこそこの出来だ。他のメンバーから「こいつは使えねえ」なんて言う文句は出なかったのか?この点も不思議だ。逆に、下手になったConnie Kayが食うに困るだろうと心配した仲間が見るに見かねて使ってたのか?

②はいい。アルバムタイトルからしてベストアルバムっていう感じ。購入後ライナーを見ると、正しくその通りで、Dave Brubeck自身が選んだCompilation。1949年から2002年までほぼ録音順(Chronological)に並んでいる・・・彼の歴史・変遷を理解してもらおう、という意図があったのではないか?それもありがたい。Dave Brubeck と言えばPaul Desmond, Eugene Wright,Joe Morelloとのカルテットだが、このCDにはこのメンバーでの録音が1958年から1967年まで収録されている。(全31局中12曲)そして「御多分に漏れず」1979年にエレキベースを入れたヤツが1曲、面白いことに1980年代録音はゼロ、1991年のアコースティックに戻ったヤツが1曲、最後は2002年録音の再びPaul Desmondのいた頃のカルテットのフォーマットに戻って1曲(ただし、メンバーは入れ替わっているが)

これ、俺がジャズを嫌いになった経緯を表している。1960年にロックが現れ、ジャズは1960年代末にはエレキ化、電子化する。1970年代はエレキ・電子化最盛期。そこで俺を含む多くのジャズファンは離れた。そして不作というか脱エレキ・電子を模索した1980年代。結局1990年代にアコースティックに原点回帰したが、古いジャズファンは戻ってこなかった。ジャズってのは1950年代までは流行の最先端で流行を引っ張り、Coolで格好いいものだった。1960年代にロックや現代音楽に侵され、最先端でなくなり、受け身に回り、流行を追うようになって見離された。

この経緯はMiles Davisが1960年代末にエレキ・電子化したのと全く同じだろう。(1970年以降はMilesの作品を聞いていないから正確には分からないのだが)1960年代前半までのMilesはCoolで格好良かったが・・・1967年にJohn Coltraneが40歳という若さで急死したのも大きかった。(もっとも、1965年以降、Coltraneも迷って神がかっておかしくなっていた感じだが)

俺のコレクションも1960年代録音されたものは少ない。数少ないコレクションはボサノヴァか、1950年代以前のイディオム・スタイルのモノだけだ。そして1970年以降の録音はほとんどコレクション、ゼロ。

閑話休題:

MJQをWikiったら、①MJQは、もともとMilt Jackson QartetだったのをModern Jazz Quartetに変えたんだそう。②1984年MJQが来日した際、”笑っていいとも!”に客演したが、その時、タモリがトランペット吹いて共演したと。全く、この頃のフジTVはうまいこと無茶ぶりして、ふられた側も、それを必死に全身全霊を傾けて打ち返していた。


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