Lee Wiley ”Night in Manhattan"を聞く

 Lee Wiley ”Night in Manhattan"(CBS)を聞く。Lee Wiley自身の歌は大していいとは思わない。インディアンの血が混ざっているとかで発音にも癖がある。歌伴のBobby Hackett(コルネット), Joe Bushkin(ピアノ)のオブリガート が素晴らしい。1930年代を思わせる演奏。

録音は1950年だが、1930年代の古めかしいスタイル。いわゆる「中間派」って奴だ。中間派って、いわば「生ける化石」だ。戦前流行っていたSwingと呼ばれる音楽が戦後廃れて慌ただしい騒音みたいなBe Bopという音楽が流行った。Swingが廃れても「Be Bopなんてうるさいだけじゃあねえか」、と頑固にSwingにしがみつき、演奏を続けていたミュージシャンがいた。こんな人たちを「中間派」と呼ぶ。中間派専門のレコードレーベルもあり、アルバムを何百枚と出した。(俺も数十枚、百枚近く持っているかも)

アメリカって国も面白い。古いものは廃れるが、同時に生ける化石としてマイナーながら生き残る。古いからダメ、と全否定しない。自国に大した歴史がない、というアメリカ人のコンプレックスからか、ただ古いというだけで感心・尊敬してしまうところがある。日本人は1000年以上の長きにわたり、古いものを否定し、新しいものに飛びつくことを繰り返して来た。

閑話休題:

どうして A Night in ManhattanでなくNight in Manhattanなのか?nightという名詞は不可算名詞でもあり可算名詞でもある。可算名詞ならA night 或いは nightsと複数形にするが、敢えてnightと不可算名詞にしたのは、特定の夜(例えば「あの人と恋に落ちたあの夜」を)指すのでなく、「一般的にManhattanの夜とは・・・」と言いたかったのか?

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