神宮の森事件(民主主義って面倒だ)
神宮の森を守れ、そもそも再開発計画を長年隠し、着工直前になって公開するのは民主主義にもとる、というご意見を述べる意識高い系の人がいる。
この土地の地権者は、明治神宮だ。明治神宮に、再開発計画を公開する義務はない。開発申請を受けた都にも前広に公開する義務はなかろう。
民主主義も大切だが、自由も大事だ。土地を持ってる人がその上に何を建てようと自由だ。それに言いがかりをつけるなら切り口は「民主主義」ではなく「趣味が悪い」あるいは「ご先祖様に悪い」だろう。「こんな趣味の悪い景色を毎日見なくてはならないと思うと辛い」とか「ご先祖様の残してくれた遺産を台無しにするな」といった言い方。これでは強制力はない。どうしても神宮の森を守りたければ土地を買い取ることだ。
俺の経験の範囲で言えば、たくさんの山や岡や緑の森がどんどん潰されて工場や家に変わったが、だからと言ってそれがいけないとか、昔の方がよかった、なんて思ったことはない。単に景色が変わっただけだ。どちらかと言えば、開発工事に血沸き肉躍る感じがした。役人が間近に迫った東京オリンピックのために焦って日本橋の上に高速を作ったのはまずかっただが、これは自然環境の破壊ではない。日本橋という、ご先祖様の残した由緒ある建築物の景観を見にくくしたものだ。(無粋な役人に任せればこうなる、といういい例だ)
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