会社とは何か? その4 ③俺の受けた教育とキャリアアップ
③俺の受けた教育とキャリアアップ
それにしても入社直後の新入社員の約半分が10年以内に会社を辞めると考えているのはなぜか?俺の世代(1980年以前に入社)では実家の家業その他の関係でいつかは辞めると考えている人は数%いたと思う。それ以外に転職はほとんどなかった。仕事の仕方も見様見真似で先輩に教わる。(用もないのに長時間会社にいて仕事以外の話もして…今でいうパワハラも満載だったろうと思うが、かわいがってもらっていると感じ嫌とも思わなかったし後輩にも同じようにした。会社には長時間いたけど一人前の仕事をしているという意識はなく残業はつけなかった。)新入社員は次の新入社員が入ってくるまでは奴隷で、3年ぐらいは会社のお荷物で、それから少しづつ仕事及び仕事の相手となる取引先や社内の関係部署や関係者個人の「癖」を覚えて一人前になり、入社後10年までに何か大きなプロジェクトなり重要な業務を経験して、それを乗り越えれば次の大きな(重要な)仕事…と繰り返すうちに大体入社20年目当たりで評価が定まって、課長止まりかそれ以上の昇進があるかの区分がなされた…これは俺個人の経験を今振り返って思うこと。もちろん、明文化された人材育成・評価ルールではない…俺は入社後21年目に部長職への昇格の面接を受けた。会議の時、メモを取らない俺に「お前、俺がしゃべっている時はメモを取るふりぐらいしろよ」と冗談めかして注意してくれた元上司がいて、その人から昇格面接の前に「お前は態度がでかいから面接でしくじるんじゃないかと心配だ。注意しろ。お前がどうなるのか後輩が見ているぞ。何を言われても我慢しろ。」なんて注意・励ましのメールをもらった。実際、面接官(役員)の一人が実にくだらない質問をしたので「その質問はどういう意味か?」と逆質問した。続けて「アンタみたいな素人には分からんだろうが、そんな馬鹿な質問は意味がないね」という言葉が口をついて出そうになったが、元上司のメールにあった「我慢」が思いだされ、この言葉を飲み込んだ。多分、逆質問して態度が悪いと思われたのだろう、また、下手な我慢をしようとしてその後の面接の受け答えがしどろもどろになったこともあったのだろう、落第しそうになった(そうだ)。それを知った当時の上司が人事部長に掛け合って落第を免れた…と掛け合った当の上司から聞かされた。この人は嘘をつく人ではないから、それが事実だったと思う…元上司のメールはコピーを取って保存した。ありがたや、ありがたや…新旧お二人の上司の好意・厚意に感謝する一方で「あんな馬鹿野郎に面接されて合格する方がおかしいや」と、今でも思う。
さて、先述の通り入社後、「かわいがって」はもらったが、教育なんてなかった。「日本を悪くしたのは日教組とNHKと朝日新聞だ」(日教組以外記憶曖昧)などいう軽い思想教育はあったし、社内行事や宴会への参加の強要といった「躾」はあったが、業務上の教育はOJT一本槍。業務遂行上のマニュアルがあるわけでもなく、また、あったとしても通り一遍のもので「肝」は分からなかった。「肝」は自分で苦労してもがいて体得するものだった。俺は今でも大きな(重要な)仕事、望むらくは「修羅場」をクリアしないと会社員として「一皮むけない」と信じている。以上が俺の「キャリアアップ」。
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