核兵器と衛星デジタル技術と正義

 1945年に原爆の存在・威力がアメリカによって広島・長崎で実証された。その後核兵器開発競争が起こり、一方で核兵器廃絶の国際世論が生まれ、核軍縮の交渉なども行われた。核廃絶、核軍縮は「正しくて正義の」建前である。ところが一方で2022年時点で、核を持っている北朝鮮やロシア・中国は他国を侵略し人権を侵害し、アメリカ様のお気に召さないことをしても一目置かれ、EUや日本はアメリカの核に頼らざるを得ない…どちらが正しくてどちらが正義なの?日本は自前の核を持つべきか、持たざるべきか???(持たなきゃ、ずっとアメリカの属国だ…どうせ属国になるなら中国の方が頼りがいがあるのではないか???)

2014年のロシアによるウクライナ侵攻ではデジタル・インフラへの侵攻・乗っ取りが成功し、ロシアはクリミアや東部ウクライナで住民の世論をロシア寄りにコントロールした。2022年のウクライナ侵攻ではロシアによるデジタル・インフラの破壊を予測・想定した若いウクライナの大統領以下がイーロンマスク、ベリングキャット他、ロシアによる侵攻を正義ではないと考える個人、企業の支援を取り付けて衛星通信を使ってデジタルインフラ乗っ取りを阻止し、また衛星データ分析によってロシアの流す嘘情報を見破り、ウクライナ国民の世論、国際世論を反ロシアに導いた。(BS1スペシャル デジタル・ウクライナ:衛星が変えた戦争 より)

さて、核兵器を作ったり持ったりすることは正義か?核兵器を作ったり持ったりすることが許されるのはどういう人・国か?俺に言わせれば「20世紀に人類は様々な”人間ではコントロールできないもの”を編み出した。できてしまったものはなくならない。核兵器は戦争を抑止するし、地球を破壊もする。どちらが正しいと考えるのかは結局は、信仰というか”好み”」。

衛星データはフェイクがなく真実を伝えると信じるのは正しいか?俺に言わせると「衛星データだっって加工されないとは限らない。正しいと信じるのは危うい。例え加工されていないとしても無数のデータ・情報から何をピックアップするのかは結局は、信仰というか”好み”。」

以上はいかにも日本人的な考え。つまり、「唯一の真実、正義なんてない。人の数だけ正義、真実はある」ということ。上述のBS1スペシャルを見て印象深かったのは衛星データが一番信用出来て、それを元にアメリカの自宅に居ながらにしてウクライナ戦争に参加できる、正しいことができると言い放つ「デジタル・ネイティブ」のアメリカの若者の表情と言葉。デジタルに限らないが、「正義」は正しい情報が手に入ることを前提とする。自分の入手した情報が正しいかどうか疑い、正しいということを証明しようとするのは辛くて地味で忍耐を必要とする仕事。もっと難しいのは自分の信仰や好みが正しいということを証明しようとすること。(正しい情報が手にすることが出来れば何千年にわたる人類の歴史で繰り返されてきた戦争やいさかいはそんなに起こらなかった。何が「正しい正義」か簡単に分かり、異なる正義同士が戦うなんてことは少なかったであろう)。これは自宅にこもっているだけでは難しいように思われる。どうしても現場に出向いて自分の目で現場で起こっていることを見聞きし、それと衛星情報・データとを比べる必要があるように思う。この若者はそこが弱い。つまり浅はかで不遜。(山本夏彦さんの「茶の間の正義」を思い出させる…ちょっと意味合いは違うが)。この手の、ある意味危なっかしい若造に自由にやりたい放題やらせ、彼らが生み出したものの中からいいもの、普遍性のあるものを育て上げて、それを使って他人や他国をリード・支配しようとする*のがアメリカの強さであり、一歩間違えると醜さ、ひどさにつながる。

*例えばGAFA。これらは世界中で受け入れられているが、(中国はアメリカに支配されたくないからGAFAを排除、あるいはGAFAの側から逃げた。)アメリカの核を頼りにする国々ではGAFAと核でアメリカ支配は確立されてしまっている。これに加えて衛星データ・情報(の独占)でアメリカは支配を強化しようとする。キリスト教徒らしいな。絶対唯一の支配者・神を信じ、その神のように天上から衛星を使って唯一最強の支配者になろうとする。


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