「長久保のしそ巻き」もどきを作ってみる

 数十年前になるが、福島県いわき市出身の人から「長久保のしそ巻き」をもらったことがあり、大変おいしかった。しかし、いわき市以外で入手することが難しかった。何年か前に1年間だけ、いわきに仕事で月に1,2回通うようになり、よく買った。(確か、常磐線の車中で買うと駅の売店で買うより¥50高かったように記憶)

一方、月に1,2回家で手巻き寿司をやるが、手巻き寿司と言えば、桃屋の「梅ごのみ」と大葉(きゅうりがあればきゅうりの千切り)を海苔巻きにして食すのが定番…大葉はふぞろいのものが何十枚も袋に入れられたやつが一番安くまた、保存期間も長いのでこれを使うのだが、必ずたくさん残る。大葉を大量に食べる喰い方が思いつかず、また冷凍すると大葉の原形をとどめなくなってしまうので処理に困る。片や月に1,2回天ぷらをするのだが、天ぷらといえば天つゆに大根おろしはつきもの。大根も1/3とか1/2にカットしたものを買えばいいのだが、割高なので丸々1本ものを買う。すると、余った大根の処分に困る。(冬場ならおでんにすればいいが、冬場以外ではせいぜい豚バラ大根かぶり大根か)

ある日、大葉と大根の余ったのを見て「長久保のしそ巻」もどきを作ることを思いついた。長久保のホームページに「1年間漬けた大根をしそに巻いて…」という動画がある。他にネットで「大根の醤油漬け」のレシピを見たのだが、

①大根を干すのか干さないのか

②大根の皮をむくのかむかないのか(「薄くむく」という手もある)

③太さ7,8ミリ長さ7,8センチの四角い棒状に切るのだが、この切り方がa.大根を厚さ7,8ミリの輪切りにしてこれを7.8センチ長さに切るのか、b.長さ7,8センチに切った後、長手方向に切っていくのか

④漬け汁は醤油、砂糖、酢で作るのだが、これにみりんを加えるのか加えないのか

⑤漬け汁を加熱せず常温のまま使うのか加熱するのか

など作法がさまざまであった。

長久保のホームページの動画で作り方をチラ見できるのだが、それによると皮はむかずに沢庵のように1年間漬けたものを長さ7,8センチに切った後、長手方向に切っていたのでそれを採用することにし、漬け汁はみりん入りを加熱して使うことにした。(酢を入れないで加熱し、熱い汁を酢とともに大根にかける方式…1年も漬けるわけではないので熱い汁の方が大根にしみ込みやすい)

大根を”長久保方式”で棒状にカットしたあと、ざるで1日干して酢・熱い漬け汁と一緒にボールに入れ一回り小さいボール+おもりをのせて2,3時間放置。そのあと大葉と一緒に密封容器に。(大葉で巻くことはしなかった)一晩冷蔵庫に入れ、大根と大葉を一緒に口に入れると、「長久保のしそ巻き」もどきになった。1年以上かけて漬ける長久保さんに比べて何たる手抜き!しかし、大根と大葉の消費問題には一つの解決法が浮上した。

なお、長久保のしそ巻きは2021年漬物グランプリ金賞を取った。ところが、2022年5月の長久保のホームページにはそのことに一切触れている痕跡はない。もしかするとホームページ更新してないのかも。いずれにしても商売っ気なし。あいかわらずめったに東京で売ってないし。3.11以降、福島県は酒の品評会で1位をたくさん取ったとか。長久保さんの漬物はどうか知らぬが、皆さん福島に気を使って逆差別。

いわき市は福島原発に近い。いわきに通っていた頃、地元の人たちにも折に触れ原発の放射能漏れについて語ってもらったが、農産物、海産物の風評被害は大きかった。(放射能に関して言えば福島のものが厳しい検査をしてるから一番安全なんだけど…)一番興味を引いたのは”原発避難民”に対するコメント。いわき市にも避難してきた人はいた訳だが、中には高級外車で連日パチンコ屋に乗り付ける人がいたそうだ。おかげでパチンコ屋が増えたとか。補助金とか政治の難しさ。ただ一つ言えることは国もそして国の言うことを素直に聞いた東電も安全神話を語ってきた手前、それが破綻したので「誠意」として金を払った、ということ。「今は亡き?」石原伸晃氏が2014年「最後は金目でしょ」って本音を言って環境大臣を首になり、2021年には落選した。伸晃さんに言わせれば自分が安全神話を語ったわけでもないし、原発を推進したわけでもない、それがなぜ俺が後始末の片棒を担がなければならないんだ、ということでしょう。俺の日本人研究によると、原子力・放射能は「けがれ」。日本人は「けがれ」たものは清められないと触ろうとしない。原子力に関しては長年安全神話で「けがれていない」と言い張ってきたのでいったん破綻すると、どう清めたらいいのかわからない。清め方がわからないと「誠意」の出番で誠意で落とし前をつけるしかない。そして誠意と言えば結局は金目。だけど、「金目でしょ」って言えばボコボコにされる。誠意の表し方の難しさ。代理人を立ててやってもらうしかない*。かつて獣の死体や皮といった「けがれた」ものを扱う人は「人でなし(非人)」ということにした。事故の直後、わが身の危険を顧みず、原発事故に立ち向かった人たちは英雄だったが、事故の騒ぎが収まって今や、「けがれたまま」の原子力に関わる人は非人扱い…非人ばかりで廃炉はどうなる?…けがれたものの前では科学も合理もない。コロナもこれに近い。患者を救おうとした人たちは英雄だが、一方で日常生活ではコロナ感染という「けがれ」を恐れてマスクしたまま。こんなに危ないよ(こんなにけがれてるよ)のPRには富岳が重宝に使われた。同じ富岳で「もう大丈夫だよ」というPRはしないのか?富岳はとても科学的に見えたが…

俺は再生エネルギーなんてバカバカしいパフォーマンスだと思っているから原発再開派。だが、その前に、日本という国においては今後何十年間どういう産業がどういう風に何千万人の日本人を養うのか?そのために電力がどれだけいるのか?について、当たるも八卦当たらずも八卦でいいから定量的に示し、その電力・エネルギー需要見通しに基づいてどうやって電気やエネルギーを確保するのだ、という構想・シミュレーション、そのための議論が必要。それなしに原発反対ではまさしく「原発けがれ論」…日本人らしいが…そうこうするうちに「神風」が吹いて助かる、というのが今までの日本の歴史。この点、俺は結構楽観的。日本国開闢以来、天皇の霊験あらたか。天皇陛下万歳!!!

偏見かも知れないが、東北の人には東京に対する反感、かたくなさがあるように思う。東京本社から言われると面従腹背というか、面と向かって反対はしないが決して言うことを聞こうとしない感じ。先祖が蝦夷として征伐されてきた歴史がそうさせるのか?その点沖縄と似てる?(沖縄のことは何も知らないが、もともと琉球王国だったものが征服され日本に編入されて大東亜戦争では見捨てられ、その後も捨てられっぱなしという被害者意識・反発はあって当たり前だと思う。いっそ、琉球国として独立したらどうか?)

*関西電力は代理人を使っていた。2019年3月に亡くなった福井県高浜町の助役が関西電力の「代理人」だった。この人はWikipediaによれば部落解放同盟の福井県の書記長だった。この経歴で地元の不平不満を抑える一方、関西電力にも顔が利いた。この事件で一番面白いのはこの人が死んでから問題が大きく取り上げられたこと。死ぬ前はメディアも怖くて手が出せなかったのか???

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